リボーンアート・フェス 「網地島エリア」オープン
独特の環境生かした21作品
石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年8月23日(金) 8時59分石巻市を舞台にしたアートと音楽、食の総合芸術祭「リボーンアート・フェスティバル」(RAF)は、網地島エリアの公開が始まり、21日には島内で住民を招いたオープニング・ランチパーティーが開かれた。離島の生活や豊かな自然景観を生かした21作品が展示されており、集まった住民は多くが足を運ぶことでの活性化を期待した。
網地島は定期船で石巻中央から約1時間、鮎川港から約15分。網地島エリアは「ネクスト・ユートピア」をエリアテーマに国内外14組の作家の作品があり、海水浴シーズンからリレーするように今月20日にオープンした。
海水浴場のある網地港には、アルファベットや幾何学模様をプリントした布を高さ20メートル、幅100メートルの斜面に張り付けた作品があり、船の客を出迎え。集落には空き家を活用した作品や島の思い出を売る雑貨店などがあり、市民バスの停留所の一つもアート作品になっている。
オープニングパーティーは中心部の島の楽校(旧網長中学校)であり、住民約40人を含む80人ほどが集まった。音楽プロデューサーでRAF実行委員長である小林武史さんや作家も参加し、バーベキューや鯨の皮を使った住民手作りの「トイ汁」などの料理を囲みながら住民と交流した。
小林さんは地元の結束力に感動し、「RAFの歴史に新しい一歩を踏み出せた。離島にしかない生態系や風情がある。絶対に見た方がいい」と熱く来場を勧めた。
網地島は高齢化が進み、人口350人ほど。長渡浜の男性(70)は「正直、作家の発想は分からないが、マナーの良い人たちばかり」と歓迎し、網地行政区区長で移住して27年になる水越研二さん(68)も「島は助け合うのが当たり前。RAFで紹介されることで、一人でも島のファンが増えればいい」と願った。
RAFは9月29日まで、「いのちのてざわり」を全体テーマにし、市内中心市街地や牡鹿半島の7つのエリアで約70組の作家が作品を展示。実行委によると、開幕した3日から約2週間で延べ10万人が来場している。
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