石巻日日新聞

小学校卒業式はかま着用 東松島アンケート結果

保護者は洋装66%、和装10%  最終判断は各家庭に

東松島市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年7月11日(木) 8時55分

 小学校の卒業式で児童がはかまを着ることの賛否を巡り、東松島市は9日、全8小学校の教職員と保護者を対象に実施したアンケート調査の結果を公表した。6割以上が洋装での出席を希望し、はかまなど和装の支持は保護者が1割、教職員はなかった。志小田美弘教育長は「何を着せるか最後は保護者の判断」と強調。「結果を判断材料の一つに検討してほしい」と述べ、保護者の判断に委ねる考えを示した。

 服装を巡っては渥美巖市長が昨年12月の市議会一般質問で「はかまで卒業式に臨む児童が増え、年々華々しさを増しているが、親の経済負担や家庭の事情ではかまを着られない少数の児童の心情が気がかり」と一石を投じた。市教委は保護者の意見を聞くため、5月にアンケート調査を実施した。

 8小学校に児童を通わす保護者1629人と教職員144人が対象。回収率は保護者86.1%(1403人)、教職員100%。質問は①卒業式で子どもに「洋装」「和装」のどちらで参加させたいか②その理由―の2項目で行った。

 アンケート結果はこの日にあった定例記者会見で示され、①で保護者は洋装66%、和装10%、検討中24%。教職員は洋装70%、和装0%、どちらともいえないは30%だった。

 ②で洋装派は、保護者、教職員とも「歩行や所作がしやすい」「和装は費用が高い」が多く、「和装は準備が大変」「体調を崩す」などの意見もあった。和装派の保護者からは「一生の記念」「本人の希望」「和装の良さに触れさせたい」などの意見が聞かれた。

 志小田教育長は「市教委で服装の指定はせず、あくまで最終判断は保護者。アンケートを参考に、子どもの負担感を考慮してそれぞれで決めてほしい」と述べた。

 今年の市内卒業式に和装で出席した女子児童は178人中63人(35.4%)。赤井小と鳴瀬桜華小は着用者がいなかったという。渥美市長は「問題提起をしたことでさまざまな反響もあった。いずれにしても保護者の判断が一番であり、各校もアンケートをもとに対応を考えてほしい」と話した。

最終更新:2019年7月11日(木) 8時55分

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