平成のその先を歩む 生まれ来る命に思い託す
石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年1月1日(火) 16時45分平成31年の幕が開いた。天皇陛下が4月30日で生前退位し、5月1日から皇太子さまが新天皇に即位され、新元号が始まる。平成の時代も残すところ4カ月。今年は二つの元号が入り交じる特別な年になる。
東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻地方。宮城県や石巻市などの震災復興基本計画における発展期の2年目であり、創造的な復興と地方創生に向けた動きを活性化させて来年の総仕上げを迎えてほしい。
平成の世に平成を振り返れば何を思い浮かべるだろう。石巻地方は真っ先に震災が浮かぶ。全国的にも自然災害に悩まされ、悲しさだけが目につくが、同時に人のつながりと温かさを知り、「絆」という言葉の重みを強く感じたのもこの時代だ。
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石巻市水明北二丁目の会社員、嶺岸祐介さん(29)の妻、愛果さん(23)は妊娠8カ月で出産予定日は3月3日。第一子は過ぎ行く平成に生まれ、間もなく訪れる次の元号の中で人生を歩む。父となる祐介さんは「人と人との縁を大切にし、笑顔を絶やさず育ってもらえたら、それ以上は望まない」と願う。
祐介さんの父で初孫の誕生を見守る隆雄さん(60)は「人は生まれた時代を生き抜くしかない。孫には自らが信じた道を歩んでほしい」と話す。母の志津子さん(60)は「地域の中で伸び伸びと育ってくれれば十分」と健やかな成長を祈った。
元号が変わっても生き方が変わるわけでなく、その時代の中でそれぞれの道を切り開いていくに過ぎない。間もなく母となる愛果さん(23)はお腹を静かにさすりながら「たくさんの人と出会い、つながりの中で支え、支えられながら強く生きてほしい」と託した。
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新元号が決まるのはもう少し先だが、争いや災害のない平和な時代を望みたい。もちろん平成から新元号に移り行く今年も石巻地方の安泰を願わずにはいられない。
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