石巻日日新聞

先輩が愛した地域をこの目で テイラーさん母校の学生視察

石巻日日新聞 2017年1月31日(火)

 東日本大震災の津波で亡くなった米国出身の外国人指導助手(ALT)テイラー・アンダーソンさん(当時24)の母校、ランドルフメーコン大学=米国バージニア州=の学生14人が22、23日、石巻地方を訪れた。シーパルピア女川や石巻ニューゼなどを訪問した学生たちがテイラーさんの足跡をたどった。
 海外の文化を学ぶ同大学の授業の一環。テイラーさんの遺族が震災後に立ちあげたNPO法人テイラー・アンダーソン記念基金が協力した。テイラーさんも2007年に同授業を受講しており、日本で仕事をするきっかけとなった。
 今月7日に来日した学生たちは、広島県の平和記念資料館を訪問したほか、東京都では歌舞伎などを鑑賞した。
 授業に石巻地方の視察が組み込まれたのは3回目。参加者は日本の歴史や文化を学ぶとともに、東日本大震災からの復興状況に理解を深めるコースを巡った。
 このうち、22日は石巻ニューゼ=石巻市中央=を訪問。パネルや展示物を見ながら武内宏之館長から震災当時の地域の様子などの説明を受けたほか、復興が進む石巻地方の現状や新しいまちづくりについて耳を傾けた。学生たちは館内に展示されている手書きの壁新聞から、被災時の状況に思いをはせていた。
 ハナ・フェイさん(18)は「震災直後の写真と、復興するまちの姿を自分の目で見て、その変化に驚いた。今回の授業で日本やテイラーさんを知る機会にもなった。母親も日本びいきなので、次は家族と一緒に石巻に来たい」と話していた。

【写真】石巻ニューゼで武内館長の説明に耳を傾ける学生たち

最終更新:2017年1月31日(火)

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