組織的な課題洗い出す
石巻市は市職員が逮捕された官製談合事件受けて幹部職員の委員会を設置し、4月30日に市役所で初めての会合を開いた。事務の流れを検証して組織的な課題を洗い出すほか、他の自治体の例や外部の意見を参考にしながら再発防止策をまとめ、市長に報告する。
委員会は先月22日に要綱を定めて設置し、構成は部長級職員10人。事実関係のほかアンケートなどで職場内の実態を調査し、外部の有識者の意見を伺いながら再発防止策をまとめる。具体の調査や再発防止策の検討などは、課長級を主にした職員20人の幹事会で進める。
委員長の阿部金也総務部長は「事務の流れに瑕疵(かし)がないものなのかどうか、改めて検証する必要がある。他市にも事例があるので、どういった防止策がいいのか検討しながら、市に合ったマニュアル作りにつなげたい」と説明。捜査が続く中での委員会設置には「本人の話は聞けていないが、事務の流れは検証できる」と話していた。
官製談合が指摘されているのは昨年2月に市が執行した下水道工事の一般競争入札。県警は4月10日、最低制限価格の算出が可能な設計書を事前にやりとりし、公正な入札を妨害した疑いで、下水道建設課の職員2人、落札業者の役員1人を逮捕している。いずれもおおむね容疑を認めており、職員と役員は復興工事を通じて平成25年8月以降、関係性を持ったとされる。
事件の発生に阿部総務部長は「遺憾(いかん)であり、市民に迷惑かけた。このようなことがないよう職員一人一人の事務、入札のモラルを向上していく」とも述べた。【熊谷利勝】
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