農水産業で調査 設備破損やカキ落下も
収量、品質に影響懸念
広域 政治・経済 石巻日日新聞 2019年10月16日(水) 8時54分石巻地方の農水産業団体では、台風19号の被害状況の把握に動き出した。支部組織や職員派遣を通じた調査の途上であり、全容はつかめていないが、すでに物資や施設の破損が確認されており、物流の停滞による出荷への影響や今後の収量減などが懸念されている。
水産業の主要産品のうち、カキは7日から生食用出荷が始まったばかり。浜ごとの波風の条件で被害状況は異なるが、漁業者は破損した養殖いかだの修復や漂着物撤去などの対応に追われている。カキの落下は多いところで5割ほど落ちた浜もあるという。
万石浦鮮カキ処理場=石巻市渡波=は、いつもならば多くの漁業者らが肩を並べて殻むき作業に精を出しているが、15日は水揚げを休止して復旧に当たる漁業者も多く、むき場には空きも目立った。
出荷作業をしていた男性漁業者(59)は「所属グループのカキは約3割落ちたようだ。台風の規模の割にはなんとか被害は少なく済んだが、この時期は成育が進んだものから落ちてしまう」と話した。
一方、農業では転作の大豆などでほ場への冠水が起き、品質や収量への影響が懸念されている。ビニールハウスなど施設被害も、JAいしのまきなどが地域単位で状況把握を試みている。水稲はすでに95%が収穫済みだが、刈り遅れのほ場などで被害がありそうだ。
東松島市の特産米である「かぐや姫」は例年、11月初旬が収穫時期。生産者の木村正明さん(43)=同市大塩=は「一時は稲もみまで水を被ったが、幸い水抜けが良く影響はなさそう」と胸をなでおろすも「大塩は以前から山沿いを中心に冠水がひどい」と行政に対応を求めていた。
最終更新:2019年10月16日(水) 8時54分
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