石巻日日新聞

女川に一本釣り カツオ船  “町の魚”港に活気呼ぶ

女川町 政治・経済 石巻日日新聞 2019年9月26日(木) 8時37分
150トンの冷凍カツオが揚がった

 女川港に24日、今年初めて遠洋カツオ一本釣り船による水揚げがあった。女川は以前、カツオが盛んに水揚げされており、“町の魚”にも指定されている。水揚げは「第八永盛丸」=静岡県沼津市船籍=による復興支援で7年連続。今季は女川に主力魚種のサンマがいまだ水揚げされていないが、かつての活気の象徴を届けた。

 女川港は昭和40年代までカツオの水揚げ基地として町の水産業を支えた。しかし操業規制の強化に伴う減船などで、主力魚種はサンマに切り替わり、震災後しばらくは一本釣りと巻網を合わせても取り扱いがゼロだった。

 (株)永盛丸所有の一本釣り船の入港は、水産庁の復興支援事業の枠組みで平成25年から始まった。事業の補助期間は3年間だが、終了後も女川を支援する思いで年に一度は水揚げしている。

 第八永盛丸は9月上旬から2週間の操業期間中、北方領土の東沖で漁獲した冷凍カツオを水揚げ。友利文男漁労長(50)は「サンマが揚がらない中での入港が少しでも町の活気になれば」と話した。

 漁獲は約300トンあったものの水揚げ量はその半分。「本来はすべて揚げたいが、冷凍庫など受け入れ能力が足りていない。業界団体や町のみにとどまる課題ではないが、今後も水揚げを続ける上では検討が必要」と提言していた。

最終更新:2019年9月26日(木) 8時37分

新着記事