石巻日日新聞

鳴瀬流灯花火 鎮魂と追悼の600発

偲ぶ光 夜空と胸焦がす

東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年8月17日(土) 15時47分
雨上がりの夜空に色鮮やかな大輪の花火が咲いた

 第97回東松島市鳴瀬流灯花火大会が16日、同市小野地区の鳴瀬川左岸河川敷で行われた。台風の影響が心配されたが、開催前には風雨が止み、会場には多くの親子連れが足を運んだ。川面をゆらゆらと流れる灯ろうを眺め、夜空を焦がす花火に亡き人への思いを重ねた。

 東松島市鳴瀬流灯保存会が主催する同大会は故人や先祖をしのぶ祭りとして大正時代から続いている伝統行事。東日本大震災後は震災犠牲者の御霊を慰める「鎮魂と追悼」の意味も込めて行っている。

 同日は午後6時半から堤防で、震災犠牲者や水難者、戦没者らに向けた施餓鬼(せがき)供養を実施。一方、河川敷の特設ステージでは鳴瀬鼓心太鼓のメンバーが勇壮な演奏を繰り広げ、祭りの開幕に花を添えた。

 川面には約500個の灯ろうが浮かび、同8時からはスターマインなど約600発の花火が打ち上げられた。

 昨年8月に父親を病気で亡くした高橋蓮君(鳴瀬桜華小4年)は、「天国では元気に生きていてほしいとお祈りした。来年は僕も自分で灯ろうを作って流したい」と話していた。

最終更新:2019年8月17日(土) 15時47分

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