石巻日日新聞

石巻神社 戦没者慰霊祭 遺族ら50人深い祈り

令和につなぐ平和と不戦

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年8月17日(土) 9時23分
各地区の遺族代表者が祈りをささげた

 74回目の終戦記念日を迎えた15日、全国各地で慰霊祭が営まれる中、旧石巻市を中心とした戦没者の御霊をまつる石巻神社=石巻市日和が丘=でも「戦没者英霊の祭典」が行われた。参列した約50人は尊い命をささげた戦没者の安らかな眠りを祈り、恒久平和に願いを込めた。

 石巻神社は日清、日露から太平洋戦争までに出征して命を落とした2243人の御霊をまつっている。慰霊祭は同神社奉賛会(鈴木喜美男会長)が終戦の日に開いている。

 慰霊祭では黙とう後、神事があり、鈴木会長(76)は「長い年月を経た今も苦痛の思いが胸に迫る。人の命の尊さと平和の重みを痛感し、再び戦争を繰り返さないことを固く誓う」とあいさつ。その後、各地区の代表参列者らが玉ぐしをささげた。

 海軍として徴兵され、トラック諸島(ミクロネシア連邦)で父の行雄さん(享年37歳)を亡くした阿部進一郎さん(77)=東松島市赤井=は「私が3歳の頃で父の記憶はないが、父の最期を知ろうと、これまで5回現地を訪れた。戦争遺児の苦しさもあり、事実と遺族の思いを伝え続けていかなくてはならない」と語った。

最終更新:2019年8月17日(土) 9時23分

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