サン・ファン号 保存を考える会 有志団体が発足
改修か原寸大の復元支持 市民運動で県に要望へ
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年7月25日(木) 21時49分県が4分の1の大きさを最終案としてまとめた復元船「サン・ファン・バウティスタ号」の後継策に対し、原寸大の保存・復元を求める石巻市民の有志団体「サン・ファン・バウティスタ号の保存を考える会」が24日に発足した。初回は声を集め、今後は市民レベルでの機運を高めて具体的な行動に移す。参加者は「大きな市民運動の波にしよう」と広がりに期待を込めた。
県は復元船の老朽化に伴い、2021年以降の解体を決め、後継策として有識者会議を踏まえ、強化プラスチックで4分の1の大きさで建造する方針をまとめた。市民からは落胆の声が広がり、いしのまき観光大使で漫才コンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんもブログで、復元船の解体に疑問を呈した。
こうした反応を受けて「多くの市民も同じ思いなのでは」と考えた割烹「松竹」の阿部久利代表=同市中央=と(株)齋武商店の齋藤祐司社長=同市三河町=が共同発起人となり、有志団体の発会を呼び掛けた。
立ち上げた保存を考える会では①現存する木造船を改修して保存する②仮に保存できない場合でも原寸大で復元する―を柱に改めて市民の声を集め、県に働きかけることを目的にした。初会合は市かわまち交流センターであり、観光業やまちづくり団体などの代表ら約25人が集まった。
前半は勉強会として県議会一般質問などで存続を訴えている佐々木喜藏県議がこれまでの経緯を説明。その後の質疑と議論で「市民の生の声を集めて嘆願書で訴えることも必要」、「(解体予算が盛り込まれる可能性のある)来年度の当初予算が審議される来年2月が期限。年内にはっきりと見える動きにしなくては」、「市議会も動かしたい」と具体的な行動を描いた。
このほか「現存船を購入することはできないか」「スペインとメキシコの有識者も巻き込んだ動きにしていければ」「腐朽した船底を固めるのは本当に不可能か」「残す案と残せなかった場合の案を年内に提示できるようにしたい」など多様な意見が出た。
阿部さんは「不満のガス抜きで終わる会議にはせず、確実な実績を残す市民活動にしなくてはいけない。市民の誇りであるサン・ファン号を残すために大きなうねりを生んでいきたい」と話した。
次回は8月21日午後6時半から同センターで会合を開く。問合せは阿部さん(090―4041―5219)、齋藤さん(090―9539―5577)。
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