コバルトーレ女川 2019シーズン展望
「J」の舞台へ再起の年
石巻市 スポーツ 石巻日日新聞 2019年1月1日(火) 17時24分女川町を本拠地とするサッカークラブ「コバルトーレ女川」の平成31年シーズンは、東北社会人リーグ1部から再びJFL(日本フットボールリーグ)への昇格をかけた再起の年となる。JFLはアマチュア最高峰の舞台。1年間このステージで戦い続けた経験と降格の屈辱を胸に、新たなスタートを切る。
コバルトーレは創設12年目の29年に東北社会人1部を優勝。その後、日本サッカー界でも最も過酷な大会と言われる全国地域チャンピオンズリーグも制し、JFLに昇格した。
しかし「J」の壁は厚く、初参入の30年は厳しい戦いの連続。J3参入を目指す強豪や屈指の実業団クラブなど計16チームがひしめく中、コバルトーレは最下位に終わり、参入1年で無念の降格が決まった。
30年をもって、長く主将を務めてきたFW成田星矢らが引退。さらに攻守に貢献したMF黒田涼太らを含め計13人がチームを去る。震災前からの軌跡を知る選手がエース吉田圭だけとなった。地域と歩んできたコバルトーレの理念や意義をどのように伝えていくか含め、課題は山積みだ。
JFL残留を託され、かなえることができなかった村田達哉監督も退任。後任にはJFL昇格を決めた現GMの阿部裕二元監督が就いた。仮に阿部体制が復活すれば、追求する形はJFL昇格まで突き詰めてきた「エリアポゼッションサッカー」となる可能性が高い。
これは味方との距離を近づけ、ボールを保持しながら効率よく直接ゴールに迫る動線を意識したサッカー。体格的に恵まれた選手が少ないコバルトーレだが、足元の技術力は他に劣らない。
新シーズンの東北社会人1部には全10チームが所属し、ホーム&アウェーの総当たりで計18試合行う。東北2部からの昇格は、かつてコバルトーレの守備の要だった木内瑛が所属する「猿田興業」、大手スポーツウェアブランドが支援し、〝フィジカルモンスター〟の呼び声高い「いわきFC」。30年覇者の「ブランデュー弘前FC」もJFL昇格がかなわず残留しており、激戦は必至だ。
コバルトーレには開幕に向け、新加入選手も続々合流することが予想される。再び女川に歓喜を呼び込むために、クラブ、選手、そしてサポーターがこれまで以上に結束しなければならない。さあ再び「J」の付く舞台に駆け上がる挑戦の幕が開く。
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