視覚障害者団体 公共交通体系の改善要望
市内移動3時間は長すぎ
石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年9月16日(月) 16時33分石巻市民が所属する視覚障害者福祉3団体は3日、市に公共交通体系の改善に関する要望書を連名で提出した。旧町と中心部の間のバス移動に長時間を要するため、交通弱者の意見を反映したアクセス網の見直しを求めた。亀山紘市長は「障害の有無にかかわらず住み続けられるまちづくりをうたう市として、検討が必要」と答えた。
3団体は一歩を楽しむ石巻、みやぎ盲ろう児・者友の会、石巻視覚障害者福祉協会。各団体の代表らに旧町在住者がおり、当事者として交通に不便を覚える中で要望に至った。
住民バスについて市は震災後、被災者支援で一部旧町地区から石巻駅前など中心部までの路線の延伸、運賃の引き下げを講じた。これらは特例的な措置であり、地域の復旧に伴って運行形態は見直しがかけられる。今年4月からは中心部との直通を廃止し、運賃も一律100円から最大300円とした。
改定後、路線バスの乗り換えが必要となった地区では接続性の問題から移動時間が増大。この問題は5月に市議会人口減少対策特別委員会でも取り上げられた。
要望で特に問題視したのは、上品の郷で住民バスと路線バスが接続する北上、桃生、雄勝。北上から石巻駅前までの所要時間は最大で約3時間。また桃生に戻る上品の郷発の住民バスは午後2時43分が最終となり、外出先の滞在時間は限られる。
特に視覚障害者や身体が不自由な高齢者は乗り換えや用事をこなすのに難しさがある。現状では移動に伴う不安感や時間的な制約が大きく、家族に車で送迎を頼むのも互いのストレスにつながりかねないという。
一歩を楽しむ会の若山崇代表と佐藤克則副代表、友の会の小山賢一副会長、視覚障害者福祉協の南信子会長が亀山市長を訪ね、要望書を届けた。
小山副会長は「高齢社会や地元外の来訪者まで対応できる交通モデルが石巻で築ければ」と求め、若山代表は「目が不自由で引きこもっている人も環境が整えば一歩外に出られるはず」と提言した。
亀山市長は「不便になったことは間違いなく、市内で3時間の移動というのは時間がかかり過ぎている。市民と意見交換しながら交通問題に取り組んでいきたい」と答えた。
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