石巻日日新聞

「セイホクパーク石巻」除幕 総合運動公園に新愛称

市が初の命名権付与

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年7月1日(月) 21時21分
関係者が愛称の看板を除幕した

 公共施設に企業名や商品名を冠した愛称を名付ける権利を与える代わりに対価を得る石巻市のネーミングライツ(施設命名権)事業で、同市総合運動公園の愛称が「セイホクパーク石巻」となり、6月30日に現地で看板の除幕式が開かれた。同市が民間事業者と命名権契約を結ぶのは初めてで、関係者は同公園の愛着と利用者が増すことを期待した。

 施設命名権事業は東日本大震災の復旧復興に伴って増加した公共施設の維持費を抑えるのを目的とし、昨年11月に募集を開始。スポーツ・文化施設、公園などを対象としてどの施設にいくらで愛称をつけるかを応募者にゆだねた提案型になっており、石巻市に工場がある合板会社のセイホク=本社・東京都文京区=が同公園の命名権者に名乗りを上げた。

 市は3月に優先交渉者として決定し、愛称案に対する市民意見の公募などを経て契約を結んだ。契約期間は6月30日から3年間、金額は年間200万円。

 除幕式は同社の主催により同公園第3工区(南ブロック)駐車場で行われ、関係者約30人が出席。齋藤強専務取締役は「昭和41年に工業港背後地進出第1号となり、ここまで成長できたのは市民の応援あってこそ。この施設で健康増進活動とコミュニティが活発化し、選手が育てばうれしい」とあいさつした。

 来賓の亀山紘市長は「愛称が一日も早く定着し、人々が集い愛される場所になれば」と期待し、ジュニアスポーツ指導員の坂本佳那さんが「ここから世界のアスリートが生まれるよう指導していく」と利用者代表の言葉を述べた。その後、同社が扱う単板積層材(LVL)製の看板が披露された。

 同公園は市民球場やフットボール場などの第1工区と陸上競技用地の第2工区、昨年4月以降に供用開始したフットボールフィールドやこども広場などの第3工区からなり、年間20万人以上が利用。道路看板なども順次、愛称の表記に変更していくという。

 命名権者の募集は随時行っており、複数の事業者が関心を示しているという。市は維持管理費縮減効果のほか、命名権者によるイベント開催などを通した市民サービスの向上にも期待する。

最終更新:2019年7月1日(月) 21時21分

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