震災遺構の大川小旧校舎 事実と向き合い考える場に
石巻市が基本設計案説明 見学者の 避難先も明示
石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年1月21日(月) 17時36分石巻市は20日、東日本大震災の津波で被災した旧大川小学校を遺構として整備するにあたり、基本設計案を住民らに説明した。ありのままを保存する校舎は安全上内部に人を入れず、外から見学するルートを設定。西側は芝生敷きの追悼の広場や厳かな空間である鎮魂の森とし、中央部に管理棟を置く。供用は平成33年4月を予定し、市は災害時の見学者の避難先も示した。
説明会はビッグバンであり、市民ら約50人が参加。市側から亀山紘市長や担当部、基本設計を請け負う共同企業体が出席した。
大川地区は児童・教職員84人を含む418人が犠牲となり、遺構は犠牲者の慰霊・鎮魂の場所、命の尊さと避難の重要性、地域の記憶と災害の恐ろしさを伝承する場として整備する。整備面積は大川小の敷地とその周辺3.35ヘクタール。年度内の基本設計完了後に詳細な設計に入り、来年4月から1年かけて工事を行う予定だ。
校舎は遺構の性格を保つために手を加えず、定期に劣化を観察。主要構造物は健全だが、天井やバルコニーなどは落下する危険性があることから、安全な距離を保った上で外からの見学になる。
かつての街並みを想起させる追悼の広場から校舎周辺と校庭、鎮魂の森を巡りながら、事実に向き合い見学者がおのおの考える展示とする。屋外の数カ所にメッセージボードと解説パネルを置く。
管理棟は木造平屋面積約300平方メートル。うち100平方メートルの展示室では街並みの復元模型のほか、止まった時計など校内の備品を公開する。雨天時の団体利用や季節展示を想定した多目的スペースもある。
災害時には避難先として雄勝方面の高台に誘導。学校西側の堤防を走行中の車向けに一時避難駐車場も確保する。
参加者からは「新たな事実が分かれば、展示に反映するのか」との質問があり、市はそうする旨の回答をした。防災教育の考え方や管理運営の在り方も意見が交わされた。亀山市長は「事実を伝えることが必要。何を教訓とすべきか住民と話し合いを進めていきたい」と話した。
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