石巻日日新聞

漁業人口 30年前の4分の1 市と県が各種研修事業

水産国支える人づくり躍起

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 12月6日(水) 15時25分
カキの養殖棚を見学する参加者たち(狐崎浜鹿立屋敷)

 石巻市と県が漁業の担い手確保に向けた研修事業に取り組んでいる。市は若手漁業者団体フィッシャーマン・ジャパンに委託し、就業希望者が仕事に触れる機会を創出。また、県は初の長期研修「みやぎ漁師カレッジ」で人材定着を図っており、先月は村井嘉浩知事が研修終盤を迎えた受講生たちを激励した。

◆現場で仕事の苦楽伝える

 県内の漁業者数は、平成25年は30年前の24.6%に当たる約6500人。特に震災で大きな被害を受けた石巻市は、平成20年からの5年間で3分の2の約2100人にまで大きく減少した。

 高齢化も進む中、このまま対策を講じない場合、県の試算では30年後の漁業者は県全体で3千人しかいなくなるという。一方で職業が多様化する中で、漁業に関心を抱く若者も増加しているとみている。

 こうした状況を受け、県と市は震災後に担い手確保に向けた事業を活発化させている。長期での研修事業では県が「みやぎ漁師カレッジ」の第1期を6月から開講した。今月22日までの7カ月を期間に、19―36歳の就労希望者が参加している。

 プログラムでは座学で漁業の基礎知識を学んだ上で実習に入る。現場では約2週間ごとにカキ、ホヤ養殖や定置網など複数の漁業種を体験できるのも長期ならではの特徴だ。

 研修終盤となった11月18日には村井知事と受講生が女川町内で面談。水産業に縁のなかった元会社員の受講生からは、「この機会がなければ体験できないことばかり」などの実感が語られた。

◆漁師学校で担い手育成

 一方、石巻市は27年からフィッシャーマン・ジャパンと県漁協に「石巻市水産業担い手センター事業」を委託。以前からフィッシャーマンが実施していた短中期の研修を委託業務化したもので、これまで15人を就業させた。

 11月18―19日には、同市狐崎浜鹿立屋敷で「牡鹿漁師学校」を開催した。首都圏から10―50代の男女6人が参加し、カキ養殖について現場見学や漁業者との懇談などで学んだ。

 茨城県在住の会社員安田拓也さん(27)は「温かい人間関係や漁業の苦楽を実感した。漁業を仕事にするイメージもつかめた」と多くを得た様子。また県漁協石巻市東部支所の石森裕治運営委員長(60)は「参加者たちから漁業へのやる気が伝わってきた。仕事をした分だけ収益につながることを実感してもらい、漁師になる入口に立ってほしい」と語った。

 市と県は研修のほか、実際に仕事に就くまでのスムーズな体制整備、PR活動など担い手確保対策を今後も進める考えだ。

村井知事と面談した漁師カレッジの受講生たち(女川魚市場)
村井知事と面談した漁師カレッジの受講生たち(女川魚市場)

最終更新:12月6日(水) 15時25分
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