石巻日日新聞

石巻市立病院 再開から1年 外来患者数 目標の半分程度

想定下回るも今年は改善傾向 マンパワー・病床利用など課題

石巻市 社会 石巻日日新聞 9月13日(水) 17時15分 配信
9月1日で現在地での再開から丸1年となった石巻市立病院

 東日本大震災で全壊し、石巻駅前に移転新築された石巻市立病院は、今月1日で再開から1年が経過した。一日当たりの患者数は開院初月が想定の半分以下の75.6人と低迷したが、今年7月はその1.7倍の129.2人となり、増加傾向。一般病床の利用率も7割を超えた。同院では市民の医療ニーズに合った診療科の拡充や専門外来の新設などに取り組む考えだが、医師確保をはじめとする課題を踏まえた運営改善が求められている。

 外来患者数は平成28年度(昨年9月―今年3月の7カ月間)で1万3053人、29年度(4―7月の4カ月間)で9676人。一日平均の外来患者数は28年度が収支目標の199.1人に対して46.8%の93.2人、29年度は改革プランで目標とした205人の57.6%にあたる118人となっており、増加傾向にある。

 昨年9月の開院時に80床だった一般病床は、翌月に140床に拡大。今年3月からは療養40床も稼働した。年間の月平均利用率は28年度(目標値65%)が47.6%、29年度(同79.4%)は56.6%。いずれも目標値を下回っている。

 ただ、直近の7月は一般病床70.3%、療養18.8%で全体では58.9%。一般に限れば開院時の24.3%の約3倍で、ほぼ目標値に達しているという。また、一般のうち20床は、来年度以降に圏域初の緩和病床となる計画で、機能が整えば利用率向上が見込まれる。

 課題は療養で、開設から間もないとはいえ2割に満たない。想定以上に圏域内の病床数が充足していたと分析されており、一部を介護者の休暇目的の入院(レスパイトケア)に充てるなどの対策を検討していく。

 復興基本計画で求められている石巻赤十字病院との相互連携では、急性期(石巻赤十字)と回復期(市立病院)の機能分担は円滑という。救急は圏域全体の1割ほどを受け入れており、石巻赤十字病院が以前に担っていた一部がそのまま移行した形になっている。

 圏域内のその他の医療機関との連携では、在宅患者の急変時対応などで実績を積んでいる。しかし、より細やかな連携を進める上では、担当スタッフや医療内容の浸透不足などが課題という。

 開院時に常勤19人だった医師は、前院長の伊勢秀雄氏が退職したほか、2人の常勤医が開業に伴って離れている。病棟診療や内部活動での医師の負担は増大しているようだ。

 医師不足は石巻市に限らない問題だが、患者目線では医師確保がサービス充実に直結する。実際に、市立病院では当初から常勤麻酔医がおらず手術日が限られている悩みもある。


 常勤医の退職の一方で、外部医師の派遣で呼吸器内科や乳腺科など専門外来は新設されており、ニーズに応じて診療の幅を広げている。同院では今後も医師の招へいに努めつつ、ハードの整備コストや圏域全体の医療体制を鑑みて診療体制の向上を図るという。

 市の28年度決算は、同院と牡鹿病院を合わせた病院事業会計は9億円弱の純利益を計上したものの、営業成績にあたる医業収益と費用の収支は16億円の赤字になっている。

 椎葉健一病院長は「目算が外れた部分を含めての2年目。32年度には黒字基調に乗せたい。実績の向上に特効薬はなく、いくつもの対策を講じて、全体を底上げしていく」としていた。

最終更新:9月13日(水) 17時15分
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