石巻日日新聞

祭りの後のゴミ問題 改善みせるも依然散乱

“正しく捨てる”だけなのに…

石巻市 社会 近江 瞬 8月7日(月) 10時19分 配信
耕人塾の中高生が自作のゴミ箱などを持って会場を往復した

 第94回石巻川開き祭りが今年も盛況のうちに幕を閉じた。川開きと言えば、鼓笛隊や七夕飾り、花火などさまざまな象徴的風景があるが、悲しいことに祭り後に散乱したゴミもまた恒例の景色と化している。それでも近年は実行委や行政、民間が各々に収集や清掃活動を展開。ゴミ問題の解決へ、その輪が広がりを見せているのも事実だ。今年も祭りの翌日、“当たり前“のようにきれいに片付いていた通り。だが、その陰には子どもから大人まで、多くの人々の苦労がある。

 かき氷の容器、ペットボトル、空き缶、串、たばこの吸い殻、祭りの後にはありとあらゆるゴミがいたる所に散乱する。皆が夏の思い出を刻んだ川開き祭り。だが、残ったゴミもまた目を背けてはいけないもう一つの姿である。

植え込みなど人目につきにくい箇所には今年もゴミが目立った
植え込みなど人目につきにくい箇所には今年もゴミが目立った

 おととしの祭りで実行委は復興事業に伴う場所の不足からゴミ集積所の設置を見送ったが、その結果、随所に飲食物などの容器が散乱した。この反省を踏まえ昨年から再び設置し、今年も立町通りの有料パーキングに設けた。2日の早朝には他の民間団体が集積したゴミの回収へ収集車を手配した。

 さらに今年は、これまで単独で活動してきた団体が相互に連携した取り組みも見せた。

 市役所北側に毎年、ゴミの分別収集所「エコステーション」を設置する市環境保全リーダーの会と、石巻市で環境美化活動に関わるNPO法人いしのまき環境ネット、市生活環境部廃棄物対策課に加え、石巻地方の中高生が人間力を磨く「耕人塾」の子どもたちもスクラムを組んで、「川開き祭りゴミ・ステ・ボランティア」を組織。これにより初めてエコステーションを2カ所に増やし、祭りの中心部であるアイトピア通りにも設けた。

 さらに、耕人塾の塾生はゴミ袋やほうき、手作りの背負えるゴミ箱で会場を往復し、ポイ捨て禁止を呼び掛けた。青葉中3年生の千葉こはるさん(14)は「活動を始めるまで川開きは単純に楽しむもので、ゴミのイメージはなかった。活動の間にもポイ捨てする人を見て、なくすことの難しさも感じた」とやりがいとともに現実を目の当たりにした。


■アイデアと呼び掛けで


 祭りの間、ゴミが多く発生するのは夜間。暗くなると人の目が届きにくくなると同時に、ゴミの集積所も探すのが困難になる。

 そこでアイトピアのエコステーションでは目立つように電飾を取り付けてアピール。いしのまき環境ネットの川村久美さんは「『ゴミは持ち帰りましょう』と言うのは簡単だが、現実はそうはいかず、やはり置くべきところには集積所がなくてはいけない。大切なのは正しくゴミを捨てられる仕組みを整えること」と説く。

暗くなっても収集場所が分かるように電飾でアピール
暗くなっても収集場所が分かるように電飾でアピール

 また、アイトピアの各商店の店先に加え、市子どもセンターらいつでも子どもたちの発案でゴミ箱を設置した。川開き後や翌日早朝には河川堤防の工事業者や商店主、ボランティアのほか、耕人塾の塾生や石巻中学校の生徒たちも恒例のまちなか清掃で協力した。

 実行委では「裏通りなどまだまだ行き届いていない部分はあるが、協力してくれる方が増え、改善に向かっている」と感謝。その上で、「設置したゴミ箱が一度あふれると歯止めがきかなくなるなど課題はあるが、呼び掛けを続け、きれいな祭りを実現したい」と見据えた。


■きれいなまちを当たり前に


 石巻の夏を代表する川開き祭り。市民に親しまれた祭りを「きれいなお祭り」とするための仕組み作りや輪は徐々に広がっている。だが、根本的な解決はやはり来場者のモラル以外にない。ゴミにまみれた景色が“当たり前“になるのではなく、一部の人々が拾い集めるのが“当たり前“になるのでもない。求められているのはただ一つ、「ゴミ箱に正しく捨てる」という“当たり前“である。

最終更新:8月7日(月) 10時19分

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