阿部市長が最後の記者会見 東松島市きょう任期満了
石巻日日新聞 2017年4月28日(金) 今期限りで引退する東松島市の阿部秀保市長(61)は、任期満了となった28日、最後の記者会見で「震災で辛い思いをした。今は亡くなった人への鎮魂と、支えてくれた市民への感謝の気持ちでいっぱい」と語った。29日からは、市長選で初当選した渥美巖氏(69)が新市長として市政運営を担う。
阿部市長は「人の役に立ちたいと思って政治を志し、私利私欲抜きでやってきた。市民協働のまちづくりは心に残る政策。復興はスピードが大事だが、そこに市民の満足度があるかだ。新市長には復興加速のほか、職員が働きやすい環境づくりに努めてほしい」と期待を込めた。
阿部市長は昭和62年から矢本町議を5期務め、議長も歴任。平成17年の矢本、鳴瀬両町合併に伴う市長選で初当選した。市民協働のまちづくりを進め、15年の北部連続地震を教訓に自主防災組織の強化も図ってきた。
23年の震災後はがれき処理を急ぎ、防災集団移転事業を早々と決めて生活再建に取り組むなど迅速な手法は全国の注目を集めた。「首長は2期8年」を政治理念としてきたが、復旧復興を急ぐため3期目を決意。2期連続の無投票当選に市民から大きな不満はなく、政治手腕が評価された。
阿部市長の退任式は28日夜に市コミュニティセンターであり、震災対応に追われ、セレモニーが見送られていた22年度退職者(対象17人)や歴代特別職に感謝状を渡した後、阿部市長が退任あいさつを行う。
なお、東松島市では5月19日告示、28日開票で県議補選が行われる。まだ立候補を表明した人はいないが、多方面から市の男性職員を推す声があり、阿部市長は「もし職員が出れば応援したい」と語った。石巻日日新聞社の取材に同職員は「前向きに検討している」と述べた。
【写真】3期12年間の思いを語る阿部市長
最終更新:2017年4月28日(金)
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