石巻日日新聞

未来への時告げる「きぼうの鐘」 女川のシンボル新たに完成

石巻日日新聞 2017年4月15日(土)

 大手ビールメーカーのサッポロホールディングス㈱(本社・東京都渋谷区)から女川町観光協会に12日、復興のシンボルとして新たな「きぼうの鐘」が贈られた。町中心エリアの国道398号そばに設置され、未来へ進む時を告げていく。
 旧女川駅前には、4つの鐘が付いたからくり時計があったが、震災で流失。その後、1つが発見され「きぼうの鐘」として復興に向かう町の希望の象徴的に扱われてきた。
 一方、サッポロは毎年9月に都内で開く同社主催イベントでの生ビールの売り上げ相当額を、平成23年から震災被災地の復興支援に充てているほか、会場に東北の人々を招いた地域PRコーナーを設けている。
 女川町に対しては、同イベントを通した交流のほか、コミュニティ井戸の設置やNPOの設備強化、各種イベントへの支援などを数多く展開。そうした中で今回、27年開催のイベント分の寄付金から約400万円を充てて鐘を制作した。
 12日に現地で開かれた寄贈式では同社コーポレートコミュニケーション部の梅里俊彦部長が「鐘が日常に溶け込み、町が出来上がっていけばうれしい」とあいさつ。同町観光協会の木村正樹副会長は「復興途中だが、素晴らしい町になる。鐘を糧に女川一丸でやっていきたい」と感謝した。
 また来賓の須田善明町長は「日没に鐘を鳴らすなど新しい活用を考えながら、この鐘がある意味と皆さんの支援を忘れず使っていきたい」と話した。
 きぼうの鐘は高さ5・4メートルで灯台を模した上部に鐘を設置。この日から本格的に使用開始し、午前6時から午後6時まで3時間ごとに自動で鳴る。これまで使用してきた鐘は新しい鐘と連なるように今後取り付ける。
 また同社では、女川湾に面し、現在整備中の観光交流エリアに、このほか3つのきぼうの鐘を建造する考えだ。

【写真】新しい「きぼうの鐘」の完成を喜ぶサッポロ関係者や須田町長ら

最終更新:2017年4月15日(土)
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次代への軌跡 「少子高齢化による石巻市の人口減少」
平成17年の合併時に17万人いた石巻市の人口は減り続け、今や14万人ほど。東日本大震災の被害の大きい地域の減少が目立つ。しかし、そうでない地域でも町内会など自治会活動の実働を担う人が高齢化し、継続に支障が出てきている。
※執筆担当記者へご意見、ご感想をお寄せください。
企画連載「次代への軌跡」は、地域の今を未来への軌跡の起点としてとらえ、各分野における課題と思われる事象について、記者一人一人が向き合い、読者の皆様と一緒に考えていくきっかけにしていくコーナーです。
働く人が減るということは、稼いだお金を使う人が減ること。つまり、経済が縮小するということだ。商店の経営環境は厳しくなる。企業のもうけが減れば市の税収も減り、行政サービスが低下するおそれもある。補助金が投入される住民バスや路線バスをはじめ、公共交通は現状のままでの維持が困難になってくる。
施策の実績や進ちょくは毎年度に推進会議などが点検、評価。これはあくまで個別の施策の話であって総合戦略が100%達成できたとしても、人口減少が抑制できる保証はどこにもない。市の担当課は「どんな施策が将来につながるのか、とにかくやってみないと分からない」と話す。
そこで重要になるのが、観光客などの交流人口の拡大。そこに住まなくても他から行き来する人が増えれば街は活性化する。昨今注目されるのは、地域や地域の人々と多様に関わる「関係人口」。震災の支援をきっかけにした交流が広がった石巻市は、受け入れを増やす下地がある。
人口減少しても活力あるまちを目指すべきだろう。人が減るということは、一人一人の活躍の場が広がるということ。個人の仕事や学業に専念するばかりでなく、多くの人がまちづくりや身近な地域の活動に参画していくことを提言したい。

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