石巻日日新聞

石巻祥心会「く・ら・ら」 3施設完成で披露式

障害理解と文化の拠点に 一般の貸館利用も展開

石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年9月3日(火) 8時56分
「どん」内で披露式があった

 社会福祉法人石巻祥心会(宍戸義光理事長)が石巻市中央三丁目に整備した芸術文化の活動拠点が8月30日、披露された。ギャラリーと工房、多目的交流スペースの3施設を敷地内にそろえ、全体を「く・ら・ら」と命名。同法人の運営施設を使う障害者のほか、市民も安値で貸館利用でき、障害理解を広げながらまちなかの文化振興に役立てていく。

 同法人は施設利用者の芸術文化活動を後押ししているが、関係者以外の目に触れる機会は多くないため、中心市街地に拠点を設けた。さらに地域貢献活動として、市民が広く活用できる公共性を持たせた。

 3施設で、古蔵を改修したギャラリー(延床面積45平方メートル、総事業費約1千万円)、陶芸や工作などができる工房(80平方メートル、同)は4月に開所。今回、文化サークルの練習や発表、町内会の会合など公民館的に使える多目的スペース「どん」(81平方メートル、1400万円)の完成で、全施設がそろった。

 「く・ら・ら」館長は、秋田県の劇団わらび座で長年俳優として活動した祥心会の黒田龍夫さん。公共性を高めるため、黒田館長ら地域の文化、社会福祉関係者6人による運営委員を組織した。

 披露式典には地域の福祉施設や祥心会後援会、町内会、芸術文化関係者ら約40人が出席。宍戸理事長は「交流を通じた相互理解で、住みよいまちとにぎわいの一助になれば」とあいさつ。同後援会は設備充実で同法人に500万円を寄付し、松川昭会長は「拠点を生かしていくには積み重ねが必要」と期待を込めた。

 「どん」の施設内には今後、照明やステージ、音響などを導入する。開館時間は午前10時―午後8時。平日の日中は法人関係者が利用し、一般に貸し出すのは土日祝日と平日の午後3時半―8時を見込んでいる。

 9月中頃まで、既存の2施設も含めて運営委で具体的な利用規約を定め、一般への貸し出しを開始。利用料金はほかの同規模の貸館と比べて割安となる見通しという。

 「どん」のこけら落としは、10月下旬の石巻演劇祭。また「く・ら・ら」初の企画展として来年3月に東北から作品を集めた展示会を行うという。

 施設利用などの問合せは黒田館長(080―5746―2461)まで。

最終更新:2019年9月3日(火) 8時56分

新着記事