チュニジアパラ委 ホストタウン訪問 事前合宿地視察で好印象
歓迎に感動 実現へ前向き 石巻の児童と交流
石巻市 スポーツ 石巻日日新聞 2019年7月15日(月) 20時42分東京2020五輪・パラリンピックの復興「ありがとう」ホストタウンで石巻市の相手国のチュニジア共和国から、パラリンピック委員会のムズギ・モハメッド会長らが来石した。11―13日の3日間、運動施設や保養施設などを見学し、事前合宿地としての適性を確認。小学校で児童と交流したムズギ会長は「温かな歓迎に感動しており、近いうちに実現へ向けたい」と石巻市の対応に好感を見せた。
ホストタウンは東日本大震災で被災した東北3県の自治体が対象で、支援を受けた海外の国や地域に対して復興の姿を発信し、住民交流を進めるきっかけとして政府が創設。「復興五輪」を掲げる東京五輪・パラリンピックの機運を高める目的もある。
石巻とチュニジアの交流は、東北大学の留学生が平成4年に旧桃生町にホームステイをしたのがきっかけとなり、同町寺崎の市道にはこれらを記念に命名されたチュニジア通りもある。合併後も交流は続き、震災時には大使館職員が炊き出しに駆け付け、支援物資や義援金も贈られた。
昨年末にはチュニジア五輪委員会が視察に訪れており、同国パラ委員会は今回が初めて。ムズギ会長とブシュハマウイ・ラウフ副会長ら4人は、11日に遊楽館や市総合運動公園の運動施設を巡ったほか、ぱんぷきん介護センターデイサービスはまなす=同市大橋=では、ユニバーサルデザインの風呂などパラ選手の保養に適した機能を確認した。
12日は県の五輪・パラリンピック教育推進校に指定されている貞山小学校で3―4年生60人と交流。チュニジアの場所や遺産などの魅力を説明した後、校庭でオリーブの木の記念植樹も行った。
児童代表で植樹した阿部竜己君(3年)、若狭大翔君(4年)は「チュニジアのことが詳しく分かった。選手が来たら日本の文化を自慢して応援したい」と話していた。
最終日の13日はチュニジア通りを視察。石巻市がパラリンピックの事前合宿地に決まれば、パラ五輪(8月25日―9月6日)の1週間前から陸上選手を中心に約20人が石巻に拠点を置く。
ムズギ会長は「温かい歓迎で視察にとても満足した。(事前合宿を)ぜひ実現し、互いの国民を結びつけることができればうれしい」と前向きな姿勢を示していた。
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