震災がれき 処理詐欺 石巻市が被害金肩代わり 国に一部補助金返還へ
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 1月21日(月) 11時18分東日本大震災で石巻市が委託した災害廃棄物処理事業を巡り、同市鹿又にあった藤久建設(株)と元社長が費用を水増しした詐欺事件で、被害額にかかる補助金について国への返還が必要になったことが19日までに分かった。被害額の9割近い約4800万円は未回収であり、市が肩代わりすることになる。
元社長は市から請け負った災害がれきの処理費を5回にわたって水増しし、計1億1480万円を請求。計5780万円をだましとった詐欺罪の容疑で平成26年に逮捕、起訴され、30年4月11日に懲役4年の実刑判決が確定している。
27年以降、同社による破産手続きと市が申し立てた元社長個人に対する破産手続きが行われ、29年12月の債権者集会をもって終結した。市が主張した損害額約5427万円に対して、配当額は618万円ほどだった。
自治体が要した災害がれきの処理は最終的に国費で賄われる仕組み。ただ、今回は詐欺によって事業費が水増しされたことで、国は本来支払うべき額よりも多く補助金を交付していた。
この差額の扱いについて市は判決確定後の5月以降、環境省と協議をしてきたが、このほど同省から返還が必要との回答があった。同省は国が債権を持つのは市であり、市が同社から被害金額を回収できるかどうかで返還額が変わることはないと判断した模様だ。
法に基づく返還命令を受けた場合、補助金を受領した震災直後からの加算金の上乗せが想定されるため、命令前に市は返還金の早期予算化に踏み切るとみられる。
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