たっぷり育ったギンザケお目見え 石巻魚市場で今季初入荷
石巻日日新聞 2017年3月13日(月) 地域の特産品である養殖ギンザケの、今季県内初入荷が13日、石巻魚市場であった。例年よりも早めの入荷ながらたっぷりとした身の良好な成育具合で、入札では昨年の初日よりも150円ほど高いご祝儀価格となった。
宮城の養殖ギンザケは国内出荷量の9割を占め、その大部分は石巻地方で生産している。石巻魚市場の昨年の実績は取扱量で3600トン、金額では震災前を上回る21億円だった。例年、入荷は8月初旬まであり、6―7月のピーク時には重さ3キロほどにまで成長する。
この日入荷したのは石巻市鮎川の(株)文丸漁業が手掛け、氷で締められたギンザケ約5トン。朝5時ごろに陸送で魚市場に届けられ、コンベアで自動選別されていった。
時期はじめで、サイズは体長40センチ、重さ1・3キロほどが中心。今年の初日は例年よりも1週間ほど早いが、水温が高く推移し、ギンザケのエサの食いが良かったことなどから身付きは上々となった。午前7時過ぎの入札では1キロ当たり1千―1177円と4ケタ台に乗る高値が付いた。
石巻魚市場の須能邦雄社長は「品質やマーケットの状況から考えれば順当な相場であり、良い滑り出し。業界が団結して手掛けた宮城オリジナルの味をたっぷり味わってほしい」と話していた。
◆金華ブランド 東北唯一の今井忠賞
この日に入荷したギンザケを含む石巻魚市場で扱う特定の魚種は、石巻市の水産関係企業などでつくる「石巻金華ブランド委員会」が「金華もの」として売り出している。同会は、元水産庁職員で大洋漁業(現マルハニチロ)常務などを歴任した今井忠氏=東京都=が創設した「第1回今井忠水産加工振興賞」の奨励賞を受賞。15日には委員長の須能社長が都内での授賞式に出席する。
同賞は今井氏が水産加工の発展のため私財を投じて創設し、奨励賞には5企業・団体が選ばれた。平成17年設立の同会は、独自に定めた基準を満たす良質の品に金華ブランドを冠して付加価値向上を図っており、今回その取り組みが評価された。
副賞は200万円。東北で唯一の受賞であり、須能社長は「今後の活動の励みになる」と語っていた。
【写真】陸送されたギンザケが選別機にかけられていった
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