石巻日日新聞

 あなたを忘れない―。東日本大震災から15年となった11日、各地で犠牲者をしのぶ行事が行われた。発災時刻の午後2時46分に追悼のサイレンが鳴り響びくと、皆が立ち止まって目を閉じた。まぶたの裏に浮かんだのは津波で失われる前の人々の笑顔か、慣れ親しんだ古里の風景か、それともこの15年の苦楽か。人々が顔を上げると、涙できらめく目にも光が差し込んでいた。日暮れ後は、慰霊と伝承の想いを込めたともしびが揺らめき、そして空に向かって花火が輝いた。【渡邊裕紀】


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東日本大震災 15年
祈りに包まれる3月11日

 大津波が甚大な被害をもたらした東日本大震災から、きょうで15年。災害関連死を含む死者と行方不明者は全国約2万2千人で、石巻地方は県のまとめで5997人が犠牲になった。各地に建立された慰霊碑前などには亡き人をしのぶ多くの人の姿があり、「忘れない」思いと共に命の大切さに向き合った。
【熊谷利勝】


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 女川町鷲神浜出身の木村孝典さん(58)=仙台市青葉区=は、実家で一人暮らしをしていた母、京子さん(当時70)を津波で失くした。鷲神浜は過去にも津波被害のあった地域。木村さんは近隣住民らから話を聞いてきたが、両親はそれを知らない。生前はよく「津波は絶対来ないから」「防波堤があるから大丈夫」と口にしていたという。京子さんに避難を促すためにかけた電話が最後の会話。「分かった」の一言が耳に残る。【泉野帆薫】

まぶたに浮かぶ古里のにぎわい


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 石巻市の牡鹿半島にある小渕浜は、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた浜の一つ。ここでワカメ養殖業などを営む㈲フジマル佐藤商店も作業場や養殖設備などを流失する被害を受けたが、当時社長だった佐藤秋義さん(77)=現会長=が地震直後に発した「山に逃げろ!今すぐに!」の指示で、パートら約60人の従業員は全員ことなきを得た。【山口紘史】


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