石巻日日新聞

旧門脇小・遺構整備 校舎の一部解体本格化

部分保存へ西側から着手

石巻市 政治・経済 熊谷 利勝 2019年11月26日(火) 8時49分
西側内装から一部の解体工事が行われている

 石巻市が東日本大震災の遺構として整備する旧門脇小学校で、本校舎の一部を解体する工事が本格化してきた。

 鉄筋コンクリート造3階建ての本校舎は現存する被災建物で唯一、津波火災の痕跡を残す。令和3年度の公開を目指した遺構整備では維持管理費などの課題から、幅107メートルある本校舎のうち中央部分の67メートルを左右対象になるように保存。西側は解体して基礎を残し、東側は正面から見て津波と同じ1.9メートルの高さで壁が残る。安全上、内部に見学者を入れず、北側に観察棟を新設して公開する。

 校舎は平成25年6月から覆われていたシートが先月撤去され、現在は大部分が再び防音シートで覆われている。解体は来年3月中旬までの予定。西側の内装から始まっており、窓枠越しに作業人の姿が見える。

 遺構整備を巡っては本校舎全部の保存を求める住民の声がある。外側からは分かりにくいものの、25日には校舎本体にカッターを入れる作業が始まり、来週以降、取り壊されていく。

最終更新:2019年11月26日(火) 8時49分

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