地域医療構想調整会議 公立病院再編要請 「必ずも統廃合ではない」
県が厚労省見解を説明
広域 政治・経済 石巻日日新聞 2019年10月25日(金) 8時48分石巻・登米・気仙沼医療圏の宮城県地域医療構想調整会議(座長・森田潔気仙沼医師会長)が23日夜、登米合同庁舎であり、厚生労働省が再編や統合の議論が必要だとして石巻市立病院など全国424の公立・公的病院名を公表したことについて、県の担当者は「必ずしも統廃合を決めるものではない」とする同省の見解を示した。具体の検討の内容が見えず、戸惑いが広がった。
地域医療構想は医療圏ごとに2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、機能の分化・連携などを図る内容。個別の医療機関が圏域内で担うべき役割と医療機能ごとの病床数について、都道府県は毎年度、医師会や公立・民間病院、行政関係者などで構成する調整会議で合意した具体的対応方針をとりまとめることとされている。
一方、将来も少子高齢化が見込まれ、医療人材の不足や医療従事者の働き方改革といった新たな課題への対応も必要。地域医療構想の実現へさらなる取り組みを促すため、国が公表したのが今回の再編・統合の再検証対象医療機関となっている。
石巻・登米・気仙沼圏域は8公立・公的病院のうち5病院が対象となり、「類似かつ近接の病院がある」「診療実績が少ない」との理由で、石巻市立病院と市立牡鹿病院も含まれた。特に市立病院は東日本大震災による移転再建から間もなく、関係者から市民への不安や医師確保への影響を心配する声が上がった。
具体的対応方針は来年1―2月以降の調整会議で協議。再編・統合しない場合は来年3月まで、する場合は9月までに取りまとめて国へ回答する。
調整会議で県の担当部は「再編・統合は2つの病院が一つになるだけでなく、病床を急性期から回復期に移行するなど国は広い意味で捉えている」と説明。会議の委員は検討のための指標を求めたが、県は「国からの正式な通知がなく、どのようなことを具体に検討するのか分からない。情報が来た段階で提供したい」とした。
会議後、市立病院の椎葉健一病院長は取材に対し「再編・統合が広い意味だと医療関係者に伝わっても、一般市民には状況が分からない」と指摘した。
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