石巻日日新聞

県議選 「無投票」で6現職再選

石巻・牡鹿・東松島 台風被害で選挙関心低く 問われる手腕と即戦力

広域 政治・経済 石巻日日新聞 2019年10月21日(月) 8時42分
県議選当選者(届出順)

 任期満了に伴う県議選が18日告示され、石巻・牡鹿選挙区(定数5)に現職5人、東松島選挙区(同1)には現職1人がそれぞれ立候補した。同日午後5時の締め切りまでに定数を上回る届け出がなく、両選挙区で無投票当選が決まった。台風19号の被害が深刻化する中、有権者にとって選挙は遠い存在。1日限りの戦いを終えた各立候補者は「再び県議として災害復旧に全力を注ぐ」と訴え、台風の爪痕を抱えた地域での戦いに終止符を打った。

 告示日に第一声を上げた各候補者は、大票田の旧市内や台風被害を受けた被災地域に選車を走らせた。復興期間が来年度で終了する中、石巻地方は復興完遂と合わせて人口減少対策、産業再生など課題は山積。また、ポスト復興の進め方も焦点となっている。

 石巻・牡鹿選挙区は元職2人が立候補を見送り、早い段階から無風がささやかれた。前身の旧石巻選挙区(牡鹿除く)から数えれば一般選挙で24年ぶりの無競争。東松島選挙区も補選を除けば平成19年から4回連続の無競争となった。

 立候補の届け出は午後5時で締め切られたが、現職以外に届け出はなく、2選挙区は27日の投開票日を待たずに当選者が決定。選車が事務所に戻ると有権者が拍手で迎えた。

 無投票は有権者から代表者を選ぶ権利を奪い、同時に政治への無関心も助長される。今回は台風被害が甚大で有権者の選挙への関心は遠のいたが、2選挙区は数カ月前から無風状態が続いてきた。

 県議会は定数見直しで、次回の県議選は石巻・牡鹿選挙区で定数が1減される。発言や行動力で6人の本質が問われるのはこれからであり、課題にどう向き合うかが注目されている。

最終更新:2019年10月21日(月) 8時42分

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