石巻日日新聞

台風19号直撃 道路陥没や土砂崩れ相次ぐ

残る爪痕 被害収束せず

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年10月16日(水) 8時48分
稲井地区の滝ノ口では5年前の豪雨と同じ場所で再び大規模な土砂崩れが起きた

 東日本の各地に甚大な被害をもたらした台風19号の被害が見えてきた。石巻地方では冠水による交通分断が解消されつつあるが、道路の陥没、崩落や土砂崩れの報告も相次ぎ、これまでに2人の死者、行方不明者が出た。収穫期を迎えた農作物や水産業の被害調査も進められており、全容解明に時間がかかりそうだ。

 石巻地方では台風直撃に伴って出されたすべての警報が14日正午までに解除され、延べ4920戸で発生した停電も同日夕方までに復旧を終えた。JR東日本が仙石線、仙石東北ライン、石巻線の安全が確認されたとして15日の始発から通常運行を再開した。

 教育関係では、宮城水産高校が冠水による設備点検と鉄道の復旧めどが不透明だったことから15日を臨時休校とした。冠水と道路陥没の被害が大きかった稲井地区では稲井幼稚園、稲井小、中学校の通学路が依然通行止めとなっていることを受け、同日の臨時休校を決めた。

 同地区内の滝ノ口地域では、山からの沢水を流す暗渠(あんきょ)が土砂でふさがれ、土砂崩れを伴う大規模な道路の陥没が発生。ここは平成26年9月11日の豪雨でも当時、未舗装だった坂道で土砂崩れが起きており、その後にコンクリート舗装を施したが、今回はそのコンクリートごと地面がえぐられた。

 付近に暮らす自営業阿部済さん(69)によると、土砂崩れは風雨が強まった12日午後10時半ごろに発生し、作業場に土砂が押し寄せたという。建物は持ちこたえたが、阿部さんは「山からの水が川のようになっていた。対策で舗装されてもこの被害では一体どうすれば。今後もこうなるのか」と不安を吐露していた。

最終更新:2019年10月16日(水) 8時48分

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