石巻日日新聞

保坂さん・サンドアート 「砂」素材の彫刻作展示

復興願う天女と鯉

東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年10月2日(水) 8時54分
細部まで手を入れた作品に関心が集まった

 世界的なサンドアート(砂像)作家の保坂俊彦さん(45)=東京都在住=が同市野蒜の防災教育体験宿泊施設キボッチャで9月20日から行ってきた「東松島サンドアートプロジェクト」が完成し、同29日に式典が開かれた。保坂さんや関係者がテープカットし、作品の完成を祝った。

 同プロジェクトは東松島市の市民団体「H×imagine」(ヒマジン)主催、キボッチャが共催した。昨年に月浜海水浴場で実施したサンドアート企画がきっかけとなり、今年も保坂さんに「東北の未来を担う子どもたちへ未来への創造を砂に込めて」というテーマで制作を依頼した。

 プロジェクトは20日から始まり、地元建設業者の協力を得て鳴瀬川の浚渫作業で出た砂約80トンを活用。旧野蒜小学校の体育館跡地に10日間かけて高さ3.6メートル、幅5メートルの作品「天女と鯉」を作り上げた。

 完成式で保坂さんは「追悼を込めた青いこいのぼりからイメージを膨らませ、地元の皆さんの要望であった天女の姿と組み合わせて作った」と説明。「多くの人たちがこの場所に足を運ぶきっかけなればなにより」と話していた。

 関係者によるテープカット後、多くの市民らが作品の鑑賞に訪れたほか、保坂さんによる子どもたちを対象にした砂像作り体験も行われた。「天女と鯉」は特殊なのりで砂を固めており、約2カ月は鑑賞可能。定期的にメンテナンスを行う予定だが、台風などで崩落する可能性もあるという。

最終更新:2019年10月2日(水) 8時54分

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