石巻日日新聞

東松島・鳴瀬桜華小 新校舎建設が本格化 令和3年1月 供用目標

高台に安心安全の学びや

東松島市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年9月4日(水) 8時59分
新校舎の完成予想図

 東松島市立鳴瀬桜華小学校の新校舎建設工事が本格化するのに合わせた安全祈願祭が2日、同市小野の事業地で行われた。工期は令和3年3月中旬までだが、来年度の卒業式に間に合うよう部分的に先行して同年1月の供用開始を目指す。同日は市や施工業者ら関係者約50人が、神事で工事の安全を願った。

 同市では震災後の平成25年4月に、旧小野小と浜市小が統合し、鳴瀬桜華小が開校。児童数は4月1日現在264人で、旧小野小の校舎で授業を行っている。新校舎は津波で甚大な被害を受けた浜市小の災害復旧工事として実施。移転先は市役所鳴瀬庁舎に近い小野の竹沢、宮前地区で、現在は造成と建設工事が同時進行で進められている。

 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造3階建てとなる新校舎は講堂(体育館)が一体となった造りで、プールなどを含めた延べ床面積が6895平方メートル。校舎は加工木材を使用して木の温もりが感じられる内装とし、各階に多目的ホールを設ける。

 有事の際は地域住民の避難場所としての拠点機能を担う。津波や河川水害に備えて校舎は海抜9.5メートルの高台に設置し、屋上には太陽光パネルと蓄電設備を置く。講堂付近には毛布や水などが備蓄できる倉庫と、炊き出しに利用できる家庭科室を配置。屋外には災害時などに使えるマンホールトイレの設置区画もある。

 用地造成工事などを含めた総事業費は約41億3600万円で、このうち3分の2は国の補助金を充てる。

 渥美巖市長は安全祈願祭のあいさつで「本市の災害復旧工事としては最後の大きな施設。住民にここに建って良かったと思ってもらえる校舎、子どもたちが安心して過ごせる校舎になるよう安全第一で工事に臨んでほしい」と期待した。

最終更新:2019年9月4日(水) 8時59分

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