航空祭に5万6千人来場 トリコローレ14カ所で演奏 空にアート、まちに音楽
活気で包む終わらぬ夏
広域 政治・経済 石巻日日新聞 2019年8月27日(火) 8時19分8月最後の日曜となった25日は石巻地方で2大イベントが開かれた。航空自衛隊松島基地(東松島市)の航空祭は、昨年を1万3千人上回る5万6千人が来場し、ブルーインパルスの曲技飛行などを楽しんだ。一方、石巻市のまちなかでは「トリコローレ音楽祭」があり、14ステージに135組が出演。前年より2500人多い7500人が訪れ、音楽の力で地域に活気を呼び込んでいた。
◆心揺らす曲技飛行
航空祭は今年も早朝から入場口に長蛇の列ができ、予定より30分以上早めて開場。三陸自動車道の下り線は車両の列で最大約20キロの渋滞。臨時駐車場も埋まった。青空が広がり、飛行展示は全て予定通りに実施。目玉のブルーインパルスは午前、午後の計2回行った。今春、青森県三沢基地の同型機にエンジン異常が発見され、松島基地でもエンジン交換を実施。この影響で本来6機編成のところを3機で実施した。それでもスモークを上げ、空を駆ける雄姿は人々を魅了。渦を巻く「コーク・スクリュー」やハートを作る「キューピッド」など青空を舞台にアートを描いた。
また今年は、戦術偵察機RF―4が退役に伴って最後の飛行展示となったほか、米戦闘機F―16のデモフライトもあり、ごう音を響かせ、圧倒的な機動力で上空を舞った。
基地内では、各自衛隊機の兵装紹介、中部航空音楽隊の演奏などもあった。秋田県から家族で来た齋藤虎太朗君(5)は、縄ばしご登り体験に挑戦。「簡単に登れた」と笑顔を見せていた。
同基地の松尾洋介司令は「多くの支援や応援のおかげで、今年も開催できた。今後も復興のシンボルとして地域とともに発展していきたい」と語った。
◆堤防空間初の利用
まちなかを音楽の力で彩る「トリコローレ音楽祭」には135組700人以上がプロアマの垣根を越え、音色を響かせた。約7500人(主催者発表)が足を運び、音楽に包まれたまちの活気に酔いしれた。
市民有志で構成する同祭実行委(小野寺寿委員長)主催。吹奏楽やビッグバンド、ロック、クラシック、ヘビーメタルなどあらゆるジャンルの団体、個人が集い、世代も経験も超えた交流を図った。
同祭は、中瀬公園をメインに全14会場を設置。新たに整備された中央地区の堤防一体空間では、湊中学校吹奏楽部をはじめとした10団体が出演。旧北上川と石ノ森萬画館を望む絶景の中で吹き抜ける爽やかな風を浴びながら演奏した。
この日は最高気温が27度まで上がる蒸し暑い日となり、昼過ぎと夜は一時的に強い雨に見舞われた。それでも出演者たちはスタッフとともにテントを設けたり、機材を雨から守ったりしながら互いに協力して祭りを成功に導いた。
市内を中心に活動するバンド「モノクローム」のギター奏者、宮澤俊治さん(37)は「市民手作りの音楽祭であり、この一体感が心地良い。雨に濡れながらも最後まで歌を聞いてくれた観客にも感謝したい」と話した。
まちなかでは飲食店を巡る「ボンバールいしのまき」も同時開催され、食と音楽で活気を生み出していた。
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