サンマ今季も大不漁か 過去最低に並ぶ予想
事前調査で魚群遠く
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年8月3日(土) 16時29分サンマ漁の関係者を集めた研修会が7月31日に石巻市渡波の県水産技術総合センターであり、国立研究開発法人水産研究・教育機構による海況や資源調査の結果が示された。これを踏まえ同センター職員は「漁期前半に来遊してくる魚群がほとんど見られない。国内の年間水揚げ量の最低記録となった一昨年並となる可能性がある」と予測した。
サンマの魚群は漁期の8月下旬―12月に親潮に沿って近海に来遊。今季の海況にはこれを妨げる要素は観測されていないものの、魚群が極めて遠くに位置することなどから、来遊量が少なくなると予想されている。
漁期中の来遊量の指標となる北西太平洋の調査海域で確認された資源量は97万トン。過去最低となった平成29年の60万トンに次いで低い水準だった。特に9月中旬までに来遊するとみられる海域の推定分布量はゼロに近い値だった。
9月下旬以降は来遊が増えるが、昨年より少ない予想。三陸沿岸に漁場が形成されるのは例年より遅い10月下旬という。魚体については成長した1歳魚の割合が少なく、体重も昨年より軽い個体が多くなっている。
サンマが来遊しにくい要因として、日本近海にマイワシやマサバが増加した影響が考えられるという。
全国のサンマ漁獲量は1980年代後半から20―30万トンほどで推移。しかし近年は減少傾向にあり、平成25年の11.6万トンから3年連続で過去最低を更新し、29年は8.4万トンだった。昨年も12.9万トンにとどまった。
最終更新:2019年8月3日(土) 16時29分
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