石巻日日新聞

大型客船入港 高校生通訳ボラが活躍

街なかに約1千人 外国人客ら高い満足度

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年7月29日(月) 20時17分
外国人に道案内を行う石巻高生ボランティア

 石巻市の石巻港雲雀野ふ頭に28日、英国籍の大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」(定員2700人)が入港した。昨年9月、今年4月に次ぐ3度目。乗客約1千人が同市中心部に足を運んだ。初の日曜入港であり、街なかでは高校生の通訳ボランティアが活躍。外国人旅行者は各事業所や団体が企画した体験メニューを楽しんだ。

 入港は石巻市、東松島市、大崎市、女川町、松島町で構成する石巻港大型客船誘致協議会が大漁旗を手に出迎え。市内ひばり幼稚園の園児の歓迎を受け下船した乗客は、ツアーバスで松島町や仙台市など県内観光地を訪問したほか、約1千人はシャトルバスで市中心部に入った。

 街なかでは昨年9月の初寄港時は多言語対応や受け入れ態勢に課題を残し、4月は反省を踏まえて案内所や英語マップ、体験事業でもてなした。3度目は前回を踏襲しつつ、新たに通訳ガイドで石巻高生有志38人の協力を得たほか、田代島の猫をアピールする街なか周遊スタンプラリーも取り入れ、もてなしに厚みを加えた。

 浴衣姿でいしのまき元気いちば前で英語通訳を行った黄海小都さん(2年)は「道案内は初めてだが、語学力を付けるにはとても良い経験」と語った。豪州から来たブライアンさん(69)は「岸壁では幼稚園児、街では高校生から心温まる歓迎を受けた。とても満足だよ」と話していた。

 大型客船は午後6時に石巻を離れ、岸壁では夏らしくうちわを振って見送った。27日に横浜を出た大型客船は石巻、函館経由でロシアのウラジオストクに入り、8月4日に横浜に戻る。ダイヤモンド・プリンセスは9月10日に再び入港。なおパナマ船籍の「オーシャンドリーム」が8月21日、日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」は9月21日に石巻に寄港する。

 今回の乗客割合は日本人が6割、外国人は4割。外国人は欧米豪が主だった。街なかの対応も3度目とあり、改善を加えて付加価値を高めていた。事業者からは「日曜入港で高校生通訳の協力を得られたが、今後は平日入港もある。曜日で差が出ないようにしたい」との声も聞かれた。

最終更新:2019年7月29日(月) 20時17分

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