石巻日日新聞

進む復興祈念公園整備 市民対象に現場見学会

中核的施設の輪郭明らかに

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年7月24日(水) 9時08分
背後にある中核的施設の説明を受けた

 令和3年3月の完成を目指して工事が進む石巻南浜津波復興祈念公園の現場見学会が20日にあった。形が見えつつある中核的施設や人工水面に市民ら約30人が関心を注いだ。

 国、県の関係機関と市で構成する石巻市市街地復興工事調整会議による合同見学会。市民に工事への理解を深めてもらうため、現場を変えながら定期的に開いており、今回が8回目となった。

 同公園は国、県、市が被災跡地38.8ヘクタールで整備し、震災復興の象徴となる国営追悼・祈念施設を設置する。見学会では西側16.6ヘクタールに多目的広場などを配置する市の施工区を説明。地下水を利用する人工水面の善海田池は2メートル掘り込み、大雨時には雨水を貯めて東側の旧北上川に流すことができるという。

 その後、公園中央部の国、県施工区に移動した。説明では国営追悼・祈念施設の中核的施設(管理棟)は円形建物の鉄骨が半分ほど組まれ、12月には全方位のガラスが入る。

 秋ごろから追悼の中心的な場となる「祈りの場」の整備に入るといい、現場事務所の2階からは周囲の広場の形も垣間見えた。一帯は先駆けて整備し、来年の東京五輪聖火リレーに先立つ復興の火展示に間に合わせる。東側では高さ10メートルの計画で盛土を始めた避難築山の紹介があった。

 雄勝で被災し、門脇町に移り住んだ福田恵子さん(80)は「目の前だけど間近で見たことはなかった。とても広い公園。全部が街だったのを知ってもらえれば、震災伝承になるのでは」と話し、完成を待ち望んだ。

 参加者は公園近くの旧北上川沿いで進行する中央排水ポンプ場の工事現場にも足を運んだ。

最終更新:2019年7月24日(水) 9時08分

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