ゲーム2時間以上約半数 東松島市教委が適正利用啓発
保護者、地域と一体的に
東松島市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年7月20日(土) 12時57分東松島市教育委員会は、本年度からスマートフォン(スマホ)やゲーム機の適切利用を呼び掛けるメディアコントロール(MC)の取り組みを本格化させた。電子メディアの長時間使用は子どもの体力、学習意欲の低下を招くとして全国的課題となっている。市教委は今月、市内小中学校の全保護者にMCの周知を展開しており、家庭や地域からも電子メディアの適切利用の輪を広げていく考えだ。
市内のスマホ、携帯電話の所持率(6月時点)は小学生32.8%で、中学生は2倍の68.1%。昨年度、文部科学省が全国学力状況調査の中で行った同市のアンケートで「平日の放課後に家でゲームやインターネットをして過ごす割合」は小学生85%、中学生75%。週末では小学生90%、中学生86%を示した。
「平日のゲーム(スマホゲーム含む)時間は」の問いに2時間以上が小学生44%、中学生48%と約半数。さらに4時間以上は小学生16%、中学生18%となり、メディアへの高い依存が浮き彫りとなっている。
インターネットやSNSに気軽に触れられる電子メディアは子どもがのめりこみやすく、長時間利用が習慣化するとさまざまな弊害をもたらす。寝不足に始まり、集中力や視力低下、家庭での学習時間不足など生活習慣の乱れによる悪循環に陥りがち。SNSは人間関係のトラブル、悪質サイトでの犯罪に巻き込まれやすいなどの危険性もはらむ。
市教委と各小中学校では、電子メディアの使用過多が学力低下や生活習慣の悪化につながるとして日常から直接指導しているが、より踏み込んだ取り組みを実施。行政と学校だけでなく、家庭と地域も巻き込んで一体感を強めていく。
市教委は、学校を通じて家庭にMCの取り組みを啓発する文書を配布。長時間利用による弊害などを分かりやすくまとめた。書面では「メディアにまったく触れずに生活することは困難で、1時間以内の使用であれば気分転換にもなる。各家庭でルールを決め、適切に利用できる力をつけてほしい」と自己コントロールの大切さも記した。
熱海良彦学校教育管理監は「MCの力をつけることは学力向上はもちろん、目標に向かって努力できる子どもの育成につながる。家族ぐるみで意識し、少しずつメディアの使用時間を減らすよう心がけてほしい。いずれは市民全体でMCを意識できるような輪が広がれば」と話していた。
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