石巻日日新聞

石巻市初の復興道路供用 小網倉浜の1.6キロ

高台移転団地に近接 有事の避難経路に

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年7月11日(木) 8時59分
一般供用を前に関係者が走り初めした

 石巻市の渡波地区と鮎川地区を結ぶ主要地方道(県道2号)石巻鮎川線のうち、小網倉浜の海岸線を走る1.5キロが山側に付け替えられ、9日午後3時に暫定供用を始めた。県が東日本大震災後に「小網倉浜復興道路」として整備を進めてきた事業で、高台の防災集団移転団地に近接し、津波浸水区域外の区間となった。県は市内15カ所で土地区画整理事業や集団移転に関連した復興道路事業を行っており、供用開始は初めて。

 小網倉浜復興道路は新小積トンネルの南。山沿いのルートに変わり、延長は若干延びて約1.6キロとなった。上下各1車線で車道幅6メートル(片側3メートル)。路肩を含めた道幅は8.5メートルとゆとりを持たせた。事業費約18億円。国の復興交付金を活用して平成24年度から整備を進め、一部は盛土となっている。

 9日は供用開始に先立って小網倉地内で式典があり、県や市、宮城復興局の関係者や地元選出の県議、市議らが出席。令和最初の県道供用といい、くす玉開披とテープカットで節目を祝った。

 旧道は震災の津波で浸水したほか、路面も被害。浸水区域外の新しい道路は標高が最大25メートル前後となり、交通の安全、円滑化が図られる。旧道は今後、道路自体と防潮堤の災害復旧工事が進められ、市に移管される予定。

 供用式に立ち会った小網倉行政区の亀山正利区長(62)は「県道2号は有事の避難経路であり、牡鹿半島の生命線。風越バイパス整備などを含めて、全線で早期に完成してほしい」と願った。

 石巻地方の復興道路事業は全10路線25カ所で、これまでに女川町の国道398号御前浜復興道路が完成。本年度は小網倉浜のほか、国道398号の湊や女川市街地など9カ所の完成を見込む。県東部土木事務所の三浦晃所長は「石巻の元気につながるよう道路整備を進めたい」と話した。

最終更新:2019年7月11日(木) 8時59分

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