商業捕鯨のクジラ肉初入荷 石巻魚市場に131キロ
関心高くご祝儀価格
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年7月4日(木) 14時19分石巻魚市場に4日、日本が国際捕鯨委員会を脱退し、商業捕鯨を再開してから初めてミンククジラの肉が入荷した。北海道の釧路沖で捕獲された個体の肉であり、131キロと比較的少量の扱い。午前6時ごろの競りでは赤肉で1キロ当たり7千円―4500円と高値に沸いた。競り落とされた肉はこの日のうちに地元鮮魚店などに並んだ。
沿岸捕鯨は釧路港を拠点とし、1日から1週間程度を目途に5隻で操業している。操業初日にも2頭が捕獲され、釧路市の鯨体処理場で解体。このうちの一部の肉が今回、北海道から空路を挟んで石巻に陸送された。
石巻魚市場では赤肉約50キロのほか胸肉、アバラなど部位に分けて荷さばき場に並べられた。商業捕鯨再開後初の入荷とあって多くの買受人が関心を示し、身質や赤みをじっくりと確かめていた。
同魚市場でこれまで扱ってきたミンクは調査捕鯨の副産物のほか、定置網で混獲されたもの。クジラ肉は価格の振れ幅が大きく、従来は最も安くて1千円代、高値で6千円程度という。
鮎川沖調査は1個体で200―300キロ程度が入荷するのに比べて数量が少ないのを考慮しても、今回はご祝儀的な高値となった。
競りに参加した鮮魚店プロショップまるか=石巻市中央=の佐々木正彦社長は「十分な品質であり、今後も安定的に入荷されればうれしい」と歓迎。一方で「昔と今を比べても調理法など消費者のクジラに対する知識は乏しい。捕獲量と価格の調整など売り手としての難しさもある」と課題を挙げた。
今回のクジラ肉の出荷主は個別事業者でなく、石巻の鮎川捕鯨など沿岸捕鯨業者でつくる日本小型捕鯨協会。石巻のほか全国の魚市場に出しており、石巻魚市場の須能邦雄相談役は「各地のマーケットを探っている段階だろう」と推察した。
調査捕鯨と異なり、商業は大きな個体を迅速に処理するため、より高品質での出荷が期待できる。
同魚市場の佐々木茂樹社長は「競りではクジラ文化が根付くまちとしての期待を感じた。魚市場にとって追い風であり、高品質のクジラを扱うことで柱の一つにできれば」と展望していた。
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