石巻日日新聞

永巖寺 かれんに咲く沙羅の花

住職の葬儀に合わせて

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年5月25日(土) 10時47分
住職の本葬儀に寄り添うように咲いた沙羅双樹をめでる奥田夫妻

 石巻市羽黒町の永巖寺敷地内で種から育てた3本の沙羅双樹(サラソウジュ)が初めてかれんな白い花を咲かせた。

 昨年9月に逝去した本多素雄住職(享年76)の厚意で平成24年春に植えられ、住職の本葬儀が営まれた今月22日に開花した。沙羅双樹は仏教の世界では悟りの境地の象徴とされ、檀家は「住職の人徳を表すよう。花も感謝を伝えたかったのでは」と話した。

 沙羅双樹は同市中央の奥田忠雄さん(77)、雅子さん(76)夫妻が敷地内に植えた。元々は都内での在職中に寺から種を譲り受け、定年後に帰郷。震災後の転居の際に本多住職に相談し、敷地内に種を植えて育成を見守ってきた。

 二人は来年の初開花を想定しており、ましてや5月に咲くとは思いもしなかった。「大雨の後の好天のおかげでしょうか。雪のような白い花が住職の葬儀に寄り添うようで不思議な気持ち」と目を細めていた。

最終更新:2019年5月25日(土) 10時47分

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