石巻日日新聞

渡波の明神社CF挑戦 善意受けて大鳥居修復へ

250万円の目標達成

石巻市 社会 石巻日日新聞 2019年3月27日(水) 23時54分
震災の津波で倒壊した大鳥居。8年越しでの修復が進められる

 東日本大震災の津波で被災した石巻市大宮町の伊去波夜和氣命神社(いこはやわけのみことじんじゃ・通称明神社)は、倒壊した大鳥居の修復に全国の支援を募るクラウドファンディング(CF)に挑戦している。今月末を期限とする中、23日まで目標額の250万円に到達した。

 明神社は豊漁、海上安全、製塩の神をまつる。震災では防潮堤を越えた津波が直撃。社殿は傾き、大鳥居が倒壊したほか、社務所も流出した。周辺地域の復旧や住宅再建がひと段落したことを受けて、4月10日に開く平成最後の御縁日祭に向け、神社修復に動き出した。

 全体の再建に必要な総事業費は約1600万円だが、地域からの厚意で大鳥居の修復費を除く約1340万円が集まった。大鳥居は地域の被災による住民の離散もあり、費用のめどが立たないため、復興庁のCF事業に望みをかけた。

 事業は今月から始め、地元出身者や震災後の支援で訪れたボランティアなど全国164人から善意が寄せられ、目標額に到達。工事は4月5日の完成に向けて進んでおり、御縁日祭はかつての明神社に復旧した形で迎えられそうだ。

 大國龍笙宮司は「たくさんの支援と賛同を受け、ここまでくることができた。今後の支援は、神社行事に参加する子どもたちのためにと考えており、引き続き応援をいただければ」と話していた。

 支援は「Ready for(レディー・フォー)」の公式ホームページで「明神社」と検索すると行える。

最終更新:2019年3月27日(水) 23時54分

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