石巻日日新聞

女川湾で潜水捜索 宮城海上保安部

手掛かり求めて海へ

女川町 社会 石巻日日新聞 2019年3月7日(木) 15時58分
潜水士たちが海に潜り捜索を行った

 東日本大震災の発生から丸8年を前に、宮城海上保安部=塩釜市=は7日、女川湾で行方不明者の捜索を展開した。石巻地方では今も1220人の行方が分かっておらず、手がかりを求めて海中で潜水捜索を行った。

 海保は巡視艇での捜索を継続的に進めている。潜水捜索は遺族要望で行われ、女川湾では平成29年3月以来、2年ぶりに実施された。

 今回は人員と装備を増強し、巡視船くりこまの潜水班8人、支援班3人が参加。海保職員も加わり、捜索に先立って震災の犠牲者に黙とうを捧げた。捜索は女川港桐ヶ崎漁港の南方150メートルから350メートル付近の海域で、水深約20メートル。水温7度と身を切るような冷たさだったが、ウエットスーツを着た潜水士が酸素ボンベを背負って海中に入り、不明者の手がかりを探った。

 捜索を見守っていた成田博美さん(58)=石巻市大街道=は長女絵美さん(26)の行方が分かっていない。「娘が戻らない悲しみは深い。一人でも多くの不明者が家族の下に戻れるよう諦めず手がかりの発見を待ちたい」と話していた。

 海保は要望などに応じ、今後も継続して捜索活動を行っていく。

最終更新:2019年3月7日(木) 15時58分

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