金に困り強盗被害虚偽 石巻署 窃盗など立件へ
不安の一夜に地域怒り
石巻市 社会 石巻日日新聞 2018年12月1日(土) 15時06分石巻署は11月30日、東松島市矢本のコインパーキングで、集金中だった塩釜市の男性会社員(38)がナイフを持った男に売上金約180万円を奪われる強盗事件があったと発表した。警察が逃げた犯人の行方を追っていたが、同日深夜に男性の虚偽だったことが判明。同署は地域に与えた影響は大きいとし、立件に向けた捜査に切り替えた。
30日午前11時45分ごろ、駐車場内で男性が大柄の男にナイフを突きつけられ、バッグに入っていた売上金が奪われたと警察に通報があった。同署は県警などと協力し、犯人の行方を追う一方、被害にあったという男性に詳しく話を聞いた。
事件の情報は瞬く間に広がり、矢本駅前の女性店員(64)は「早く捕まってほしい」と不安を募らせた。市教委も事件解決まで小中学校の登下校に注意するよう連絡。中学校は大会を除き、週末の部活動を取りやめた。
その後の捜査で男性の証言につじつまが合わない部分があり、同署で追及したところ「金に困っていた」と事件が虚偽であったことを自白。盗まれたというバッグも証言通りの場所で見つかった。同署は窃盗や詐欺、業務妨害などに抵触するとし、刑事事件での立件を視野に調べを進めている。
男性の虚偽で、同市内の女性(44)は「子どもも不安な夜を過ごすなど社会に与えた影響は大きく、迷惑極まりない。深く反省してほしい」と憤った。
取材余話(外処健一)
有事こそ 正確な情報で
強盗事件はやはり虚偽だった。市民からの一報を受け、取材を進めたが、白昼の犯行にもかかわらず目撃情報のなさや被害者の証言などが気になり、時間を重ねるごとに報道部内でも疑問符の数が増えていた。
確認漏れや未確認からSNSではさまざまな情報が流れ、学校や保護者の不安を駆り立てた。「矢本駅前の建物に犯人が立てこもっている」「警察官が取り囲んでいる」という内容や、中には「不審者情報程度しかきていない」と情報不足に困惑する声も聞かれた。
週末の部活動を中止にした学校もあり、余波は続く。市教委や学校、保護者それぞれの対応があったが、命の最優先はどこも一緒であり、今回の一件を安堵で済ませず検証は必要だろう。
きょうから師走。重大事件や事故が懸念される月であり、気は抜けない。震災の教訓に学ぶように、有事のときこそ「正確な情報で行動」してほしい。
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