石巻日日新聞

石巻市 橋、トンネル4カ所 親しみある名称公募へ

シンボルに市民の英知

石巻市 政治・経済 熊谷 利勝 2019年11月13日(水) 8時59分
名称を募集する橋とトンネル

 石巻市は市民に末永く親しまれることを願い、東日本大震災からの復興事業などで新設中の橋とトンネルの名称を募る。公募するのは旧北上川河口に架かる「鎮守大橋」と新しい「西内海橋」「東内海橋」=いずれも仮称=と、都市計画道路「渡波稲井線」のトンネルの計4カ所で、期間は今月中旬から来年1月15日。市が橋やトンネルの名称を募るのは少なくとも平成17年の合併以降初めて。

 鎮守大橋は門脇地区と湊地区を結ぶ延長536メートル。来年度の完成を目指し、日和大橋の上流約500メートルに架けられる。幅員12.5メートル(片側1車線)で上流側に歩道が付く。現状で川の東西をつなぐ橋は少なく、日ごろの市民生活や産業での効果のほか、災害時の避難路、緊急輸送路としても期待される。

 市から委託を受けた県が施工中。門脇地区側の被災跡地では石巻南浜津波復興祈念公園が整備中であり、鎮守大橋の仮称は市が国に事業を申請するに当たって名付けられた。

 一方、新しい西内海橋と東内海橋は、中央地区と湊地区を結ぶ現在の国道398号内海橋が中州の中瀬を通らない上流側に架け替えられるため、代わりに架設する。市の資料などでは便宜上、「新西内海橋」、「新東内海橋」とも表記される。西は延長82メートル、幅員9.5メートルで、全体を公園化する中瀬は将来的に徒歩での利用となり、緊急車両などを除く一般車の通行ができなくなる。東は延長115メートル、幅員4メートルの自転車・歩行者道にする。

 西は県が来年度を目標に整備して市に移管し、東は市が令和3年度の完成を目指す。なお、現在の内海橋は西内海橋、東内海橋の2つの橋を合わせた通称で、架け替え後の橋が正式に「内海橋」として採用されている。

 渡波稲井線は旧渡波中・旧女子商業高前の国道398号から稲井中近くの石巻バイパスまで南北をつなぐ総延長3545メートルの新設道路。市が来年度の開通を目指している。名称を募るのは牧山の東を通すトンネルで、延長700メートル、幅員10.5メートルの片側1車線道路。西側に歩道がつく。

 応募できるのは市民と市内に通勤、通学している人。市ホームページや窓口で配布する用紙に名称と理由、思いを記入し、建設部都市計画課まで応募する。仮称を応募してもかまわない。来年1月下旬から外部を交えた検討委員会を開き、3月までに決定・公表。同部は「新設の橋はほかにもあるが、市民に愛着を持ってももらえるようシンボル的な4カ所を公募する」と話していた。

最終更新:2019年11月13日(水) 8時59分

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