石巻市 整備進む複合文化施設 令和3年3月供用開始
来年度に命名権者公募 開館時間や料金も設定
石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年9月17日(火) 9時07分石巻市は、文化・芸術活動の新たな拠点として開成地区で「(仮称)石巻市複合文化施設」の整備を進めている。建設工事は「おおむね順調」といい、進行率は今月末で約30%に達する見込み。令和3年3月の供用開始に向けて事務的な作業も行われており、開会中の市議会定例会に開館時間や利用料金などを定めた条例案が提案されている。維持管理費の縮減のため、来年度は施設命名権(ネーミングライツ)の取得を希望する民間企業などを公募し、愛称を名付けて開館を迎える考えだ。
建設地はセイホクパーク石巻(総合運動公園)北側のトゥモロービジネスタウン内で敷地面積2万2323平方メートル。建物は鉄筋コンクリート造一部鉄骨鉄筋コンクリート造4階建て(延べ面積1万3315平方メートル)で、三角屋根が並ぶ特徴的な外観になる。
東日本大震災の被災などで解体した市民会館と文化センターの代替であり、文化ホールと博物館の機能を併せ持つ複合文化施設。定例会に提案された条例案では、施設名称をいずれも仮称で石巻市芸術文化センター(同1万805平方メートル)、石巻市博物館(同2509平方メートル)とした。
センター大ホールは1254席で、812席の中ホールとしても使用可能。300席の小ホールもある。各種研修室や活動室、市民ギャラリー、和室、創作室を備える。博物館は各種展示室や収蔵庫などからなり、石巻の文化、歴史、震災の記憶を伝えるほか、地元出身の彫刻家高橋英吉の作品や民俗・考古資料の毛利コレクションを常設展示する。
休館日はともに月曜と年末年始。開館時間は午前9時からセンターが午後10時まで、博物館は同5時まで。市民の声を反映し、センターの閉館は旧施設より1時間遅くした。
条例案に規定された使用料金は午前、午後、夜間、昼間、昼夜、全日の6つの時間帯で区分。大、中ホールの使用料は、入場料を徴収するかどうかや曜日によって変わる。
大ホールは県内の多賀城市文化センター(1120席)、名取市文化会館(1327席)、イズミティ21(1450席)などを参考に料金設定し、2万6600―50万5600円。中ホールはその65%ほどの設定で、小ホールは6720―2万4千円となる。市や市立学校が使う場合を除いて減免は行わない。
博物館の常設展示の観覧料は、一般個人が旧文化センターよりも100円高い300円(団体1人240円)。高校生200円(同160円)、小中学生100円(同80円)、未就学児は無料となる。
博物館の学芸業務は市職員が行い、そのほか施設全般について指定管理者制度を導入。12月の市議会に、市芸術文化振興財団を想定した指定管理者の指定を提案する。年間の指定管理料は概算で約2億5千万円。同財団のノウハウを生かし、プレイベントなどを企画立案していく。
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