石巻市 傷む道路に四苦八苦 復旧後も別工事でまた
人手も予算も十分でなく
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年6月21日(金) 9時19分東日本大震災で被災した石巻市の市道は9割以上の箇所で災害復旧が完了したが、別の復興工事に関係した大型車両の通行などで再び傷んでしまっている。市民からの相談や苦情も多く、市は人手も予算も十分でない中で優先順位を決めて補修を行っている状況だ。
不動町から蛇田の国道45号にかけた石巻(中里)バイパスは、路面の継ぎはぎが多く、自動車を運転していると体に衝撃を感じるような段差が点在。石巻工業港曽波神線も片側2車線のうち一方の路面状況が悪く、繰り返しアスファルトがはがれては敷き直している箇所がある。これらは一部で、市には「道路を直してほしい」などの問合せが年に千件ほどあるという。
震災後、幹線道路を中心に大型車をはじめとした交通量が増え、市内全域的に路面状態が悪化。復旧復興が優先され、既存道路の補修までなかなか手が回っていない。
道路の災害復旧は国費が充てられるが、その後の修理は市の単独費。道路などの補修に使える年間の予算は、旧6町では住民要望に対応するための総合支所対策費各3千万円を除いて1億円ほどだ。
災害でなく復興事業で傷んだ既存の道路に関しては国の復興交付金による修理が認められ、市は開会中の市議会に関連予算を提案。第1弾として、約4億円をかけて流留真野沢田線、明治橋稲井小中学校線などの一部計7.4キロを直す。ただ、復興事業で傷んだという証明が難しく、採択のハードルは高い。
一方、周辺の復興事業などとの関係から、災害復旧の時期を見合わせている市道もある。中心部の内海橋から西の橋通りがそれで、車道も歩道も路面が悪く、雨の日は水たまりができる。事情を知らない観光客からは「復興が進んでいるはずなのに、なぜ石巻の道はでこぼこしているのか」との声も聞かれる。
市は昨年度から道路課を通常事業と復旧復興事業の2課体制とし、全国から職員の応援を受けながら整備推進を図る体制を強化している。大規模な道路の修理は年次計画を定めて行っていくが、陥没した箇所の穴埋めなど部分的な補修は随時対応することにしている。
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