石巻日日新聞

東松島市総合防災訓練 空自 ドローンで要救助者捜索

教訓つなぎ減災へ連携

東松島市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年6月18日(火) 8時50分
ドローンで負傷者を見つけ救助した(東矢本中央公園)

 東松島市総合防災訓練が16日、市全域で行われた。「わが家・わが地域は我々が守る」がスローガン。宮城県沖地震から41年、県北部連続地震から15年、そして東日本大震災から8年が過ぎる中、教訓に基づく活動を繰り広げ、まだ見ぬ災害の減災を考えた。

 市と市自主防災連絡協議会主催。訓練は午前9時に宮城県沖地震を震源とする巨大地震が起き、ライフラインに打撃を与え、太平洋沿岸に大津波警報が出された―との想定で実施した。市は沿岸部の8759世帯2万1601人に避難指示、内陸部の1665世帯3857人に避難勧告を出した。

 市は災害対策本部を置き、各避難所から上がってくる状況などを確認。各自主防災組織は住民の安否確認や避難誘導、要支援者への対応など地域事情に合わせて実践した。前日からの雨で足場が悪い中だったが、逆に緊張感を高め、災害は時と場所を選ばないことを痛感させた。

 航空自衛隊との合同訓練も初めて行い、松島基地の第4航空団は東矢本中央公園で無人航空機(ドローン)を飛ばした。上空からの撮影映像を確認しながら被災家屋の中から要救助者を見つけ、ドローンの情報を基に隊員が救助を展開した。撮影映像は市災害対策本部にも伝送し、連携を深めた。

 一方、陸上自衛隊第22即応起動連隊(多賀城市)は、鷹来の森運動公園内にある防災拠点備蓄基地から飲料水を搬出し、3カ所の避難所に届けた。炊き出しの試食や消防車、クレーン車、トレーラーなど災害時に活躍する車両の展示もあり、市民の関心を高めた。

 東矢本中央公園での訓練を視察した渥美巖市長は「大雨の中での訓練だったが、緊張感があった。自分の命は自分で守るのが基本であり、震災の記憶を風化させないためにはどうすべきかを考えていきたい」と語った。

最終更新:2019年6月18日(火) 8時50分

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