操業通年化で初 公海へ石巻のサンマ船出港
未知数に期待と不安交錯
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年5月15日(水) 18時37分政府の省令改正で今年からサンマ漁が通年で可能となり、16日には公海での初の本格的な操業が始まる。これに向け、15日には石巻港からも大型サンマ棒受け網船の第1榮久丸が出港。船主の今野水産=石巻市湊町=の社員らが船を見送り、安全な航海を願った。
国内サンマ漁は以前、年間25万トン前後を水揚していたが、平成29年の7万7千トンまで3年連続で統計開始以来の最低実績を更新。操業の通年化は日本近海に魚群が来遊する秋よりも前に漁を行い、漁獲量を上向けることを目的としている。
公海の漁では、北海道や東北の大型サンマ船18隻が船団を組む予定であり、このうち県内船は榮久丸のみ。今野水産の工藤眞秀部長は「この操業の結果が今後の棒受け網漁全体の在り方にも関わってくる。未知数な部分は多いが、出漁した以上、良い結果を期待している」と話していた。
7月まで約2カ月間の操業では18隻を2グループに分け、2週間交代で漁に当たる。漁獲したサンマは主にロシアの加工母船に引き渡し、帰港時に一部を国内で水揚げする。
公海での漁期外操業はすでに、平成28―30年の水産庁補助事業で試験的に実施。昨年は5―7月の3カ月間で約8700トンを漁獲し、花咲港に105トンを水揚げしている。
ただし、女川港をはじめとする全国の水揚げ港では、品質や鮮度への懸念からこの時期のサンマの受け入れに慎重な姿勢。国内水揚げは漁場から近い道内が中心となりそうだ。
タグ:サンマ
最終更新:2019年5月15日(水) 18時38分
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