石巻日日新聞

汚染稲わらの処理完了 石巻市 長期に適正管理

亀山市長が埋立地確認

石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年4月27日(土) 8時38分
汚染稲わらの焼却灰が埋め立てられた河南一般廃棄物最終処分場を確認した亀山市長

 東京電力福島第一原発事故の影響で汚染された石巻市の稲わらは、焼却後の埋め立て作業が18日に完了し、処理業務のすべてを終えた。26日は亀山紘市長が埋め立て場所の河南一般廃棄物最終処分場=北村=を訪れ、長く適正管理できる状態であることを確認した。

 東日本大震災後、市内で保管されてきた汚染稲わらは11農家で計71.35トン。放射性物質(セシウム)の濃度は、いずれも国が一般廃棄物として処理できるとした基準値(1キロ当たり8千ベクレル)以下であり、市は県の方針に沿って石巻広域クリーンセンター=石巻市重吉町=で家庭ごみと混ぜた「混焼」により処理を行うことにした。昨年10月3―28日のうち12日間の試験焼却を経て、11月12日から81日間の本焼却へ移行。今年3月20日で終えた。

 焼却灰の濃度はより安全な市独自基準を定めて400ベクレル以下にし、3月25日までに計426.85トンを最終処分場に搬入。セシウムは水に溶け出しやすく土壌に吸着しやすい性質があるため、埋め立て場所は下部に吸着層、上部に雨水などを浸透させない不透水層を施して土で覆った。市は周辺の空間線量や放流水の監視を行っていくが、現状で異常な数値などは検出されていない。

 汚染稲わらの処理は保管農家の負担をなくす一方、最終処分場周辺の安全性や風評被害を心配する住民に反発の声があった。現場を確認した亀山市長は「心配をかけたが無事に完了できた。長期間、適正に管理していき、万一のことがないようにしたい」と話した。

最終更新:2019年4月27日(土) 8時38分

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