平成30年の石巻港貿易額 輸出入とも震災後最高
新造船や石炭需要後押し 横浜税関 石巻出張所
石巻市 政治・経済 石巻日日新聞 2019年4月10日(水) 14時51分石巻港の平成30年の貿易額は、輸出額、輸入額ともに東日本大震災以降最高を更新したことが、横浜税関仙台塩釜税関支署石巻出張所(鳥居健所長)のまとめで分かった。輸出総額は132億3千万円で、27年以来となる海外向け新造船舶があったことなどを要因として、前年比28.7%増。輸入総額は33.3%増の568億8千万円で、同港での火力発電所の稼働に伴う石炭の高い伸びが金額を押し上げた。
品目別輸出額の1位は紙類・同製品(46億3千万円)。前年比10.3%減だが、依然高い水準にある。2位は34.3%増の金属鉱・くず(46億1千万円)。中国での需要が下火になってきた一方、台湾、ベトナムの割合が大きくなっている。3位は船舶(18億1千万円)で、その年の新造船の有無で金額がまるで異なり、857.7%と大幅に増加した。
魚介類・同調整品は国内流通に適さない大きさの冷凍サバなどが、食用またはエサとして東南アジア向けに出荷。好・不漁の波がある中、185%増と船舶に次ぐ伸び率となったが、金額では1億1千万円にとどまる。
輸出相手国の1位は前年4位の台湾(30億5千万円)。スクラップや鉄鋼が金額を底上げし、全体の23%を占める。韓国(24億2千万円)は2位に下がったものの、全体の18.3%を構成。3位はベトナム(17億9千万円)で、前年3位の中国は5位に後退した。
輸入は家具を除く木・コルク製品(134億2千万円)が品目別で最も金額が高く、前年から35.2%の増。伸び率も全体で2番目に高く、紙原料のウッドチップ、燃料の木質ペレットの輸入がけん引している。2位は穀物・同調整品(127億円)で10.8%の増加。3位は石炭(104億7千万円)となり、エネルギー資源として77.6%増と著しく伸びている。
輸入相手国はウッドチップや石炭の取引があるオーストラリア(171億7千万円)が1位で、全体の3割を占める。2位はアメリカ(127億3千万円)、3位はロシア(70億3千万円)で、それぞれ飼料のトウモロコシや木材が運ばれてきている。1年に入港した外国貿易船の数も294隻あり、近年の最高値を記録した。
貿易額は輸出入とも震災で大きく落ち込んだ。輸入額は徐々に回復し、震災前の22年の実績(486億5千万円)を超えたものの、輸出額は22年の314億2千万円に対して4割ほどとなっている。
同出張所は「輸入は燃料関係を中心に今後も堅調に推移しそうだが、輸出は水ものの状況であり、造船をはじめ震災の影響がある」とみている。
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