石巻日日新聞

震災伝承施設 つなぐ館、石巻ニューゼなど

石巻地方は36件登録 教訓と風化防止の場

広域 政治・経済 石巻日日新聞 2019年4月2日(火) 22時34分
登録された2施設が並ぶホシノボックスピア。手前が「つなぐ館」、奥が「石巻ニューゼ」

 国土交通省東北地方整備局や宮城県などで構成する「震災伝承ネットワーク協議会」は、東日本大震災の実情や教訓を後世に伝える遺構や慰霊碑など192件をこのほど「震災伝承施設」に登録した。石巻地方は震災伝承スペースつなぐ館=石巻市中央二丁目ホシノボックスピア内=、石巻ニューゼ=同=のほか、各地の慰霊碑や伝承板などが選ばれた。「3・11伝承ロード」を形成するものとしてホームページで公表し、広く伝えるとともに震災の風化防止に努めていく。

 震災伝承施設は、震災関連の資料館のほか遺構や慰霊・祈念碑(東日本大震災以前の津波被害で設置された碑も含む)も対象とし、昨年12月から今年1月にかけて公募した。①災害の教訓が理解できる②災害時の防災に貢献できる③災害における歴史的・学術的価値がある―など5項目のいずれかに1つ以上該当することを要件とした。

 青森県を含む被災4県から206件の応募があり、宮城県内では100件、このうち石巻市は28件、東松島市は8件が選ばれた。

 特性や設置状況を踏まえて3つに分類している。無料駐車場などがあり、案内員がいる施設(第3分類)には、3・11みらいサポートが設置運営する「つなぐ館」と「東日本大震災メモリアル南浜つなぐ館」、石巻日日新聞社の「ニューゼ」、東松島市旧野蒜駅周辺の東日本大震災復興祈念公園の4カ所。協議会が作成したピクトグラム(絵文字)を案内標識などに使用できる。

 また、整備中の施設は保留とし完成後に登録するが、目視可能な場合は現時点では第1分類の伝承施設に位置付け、石巻地方では旧門脇小、大川小の校舎が対象となった。

 協議会は今回の登録を第1次としており、今後も募集を実施していく。登録された石巻地方の主な施設(第3分類以外)は次の通り。

 【第2分類】

 ▽3・11東日本大震災伝承板―長浜海岸防潮堤(石巻市渡波地内)▽北上地区慰霊碑及びモニュメント(同市北上町十三浜)

 【第1分類】

 ▽昭和8年3月3日大震嘯記念碑(石巻市鮎川など牡鹿半島や雄勝、北上地区13カ所)▽旧北上川、北上川、鳴瀬川などの津波到達情報看板(石巻市、東松島市内9カ所)▽東日本大震災慰霊碑(石巻市門脇町五丁目)▽旧門脇小(同四丁目)▽旧大川小(同市釜谷)▽3・11東日本大震災伝承板―定川河川災害復旧工事(東松島市赤井地内)▽旧北上川と鳴瀬川の内陸部、及び北上川と鳴瀬川の河口部の復旧・復興概要看板(石巻市、東松島市内)

最終更新:2019年4月2日(火) 22時34分

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