石巻日日新聞

広渕小 鹿嶋ばやし 集大成と初舞台で継承

5年生 誇りと責任自覚

石巻市 教育・文化 石巻日日新聞 2019年2月15日(金) 14時09分
6年生や保存会、保護者らの前で初舞台に臨んだ5年生

 石巻市立広渕小学校(高野貴美校長・児童180人)で14日、伝統芸能である「鹿嶋ばやし」の伝承式が開かれた。式では1年間さまざまな場面で活躍してきた6年生30人が集大成を披露。伝統のバトンを受け取った5年生35人は代々受け継がれてきた心意気を胸に初舞台に臨み、努力の成果を太鼓と笛の音に乗せて響かせた。

 鹿嶋ばやしは江戸時代の飢饉(ききん)で苦しんだ住民が五穀豊穣を願って始まったのが起源とされる広渕地区の伝統行事。一時は途絶えかけたが、昭和48年に保存会が発足し、以降は中学校で伝えられてきた。平成元年の中学校統合後は広渕小で受け継ぎ、本年度も10月下旬から継承に向け、6年生や保存会の指導で5年生が技術を磨いてきた。

 体育館であった伝承式では、保存会の石垣辰也会長(66)が「今年も鹿嶋ばやしを引き継いでもらえてうれしい」と感謝。6年生は集大成で「豊年」「おくりばやし」の2曲を披露し、第30代総リーダーの岩渕桜月さん(12)が「5年生には鹿嶋ばやしに関わる多くの人の期待に応えられるように全員で頑張ってほしい」と語った。

 引き継ぎ式は大太鼓、笛、締太鼓、たすきの順に行われ、31代総リーダーの小田島結子さん(11)が「伝統を守る気持ちを受け継げるのは私たちだけであり、次の世代に継承する義務がある。誇りと責任を持って受け継ぎたい」と誓った。

 初舞台に臨んだ5年生は「うちばやし」「松島」の2曲で伝統を継承する決意を示していた。鹿嶋ばやしは4月21日に広渕地区で開かれる山車祭りなどで披露される。

タグ:広渕小学校
最終更新:2019年5月12日(日) 11時20分

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